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日本の核廃絶決議、28年連続採択 核禁条約には今年も触れず


国連総会の第1委員会(軍縮)は27日、日本が毎年提出している核兵器廃絶決議案を賛成多数で採択した。採択は28年連続。賛成は昨年より13カ国増えて152カ国、反対は中露と北朝鮮、シリアの4カ国、棄権は30カ国。核保有5大国では昨年の米英に加えて仏も賛成に回った。12月上旬の本会議で正式に採択される。

日本は核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を自任する。ただ、近年の日本の決議は核廃絶への決意が「後退している」との批判が出ており、昨年の賛成国は過去10年で最も少ない139カ国に減っていた。

今回の決議では、未発効の状態が続く核実験全面禁止条約(CTBT)の署名、批准を進めるよう米中など8カ国に呼びかけたほか、米国の反対で前回2015年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議が決裂する原因になった「中東非核地帯構想」への支持を盛り込んだ。過去のNPT再検討会議での合意を「履行する重要性」も再確認した。核軍縮の遅れに不満を高める国々の意見も反映した形だ。

一方で、核兵器禁止条約が今年1月に発効してから初めての決議採択だが、今年も直接の言及を避けた。岸田文雄首相は、核禁条約を「核兵器のない世界を目指す際の出口」としつつ米国の反対を念頭に署名や批准は難しいとの認識を示しており、決議では「さまざまなアプローチが存在することに留意する」と昨年と同様の表現にとどめた。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期されていたNPT再検討会議は来年1月に開催される。前回のような決裂を避け、核軍縮の進展に向けた具体的な成果を出せるかが焦点だ。茂木敏充外相は28日、決議が採択されたことは「大きな意義がある」と評価し、NPT再検討会議で日本は「意義ある成果を達成できるよう貢献していく」との談話を発表した。

日本政府関係者は核保有国も含めて賛成国が増えた背景として、「意見の対立がある中で、核軍縮・核不拡散に向けた一致点を見いださなければならないという機運が出ているのではないか」と話した。

この日の採決では、核禁条約の署名や批准を呼びかけるオーストリアなどが提出した決議案も、賛成123、反対42、棄権16で採択された。決議は、来年3月にウィーンで開かれる第1回締約国会議へのオブザーバー参加も呼びかけている。

毎日新聞より転用


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