低迷女子体操界を1人で引っ張ってきた村上茉愛は後進の指導へ「五輪でメダル取れるお手伝いしたい」【世界体操】
- スポーツ
- 2021年10月25日
◇24日 体操・世界選手権 種目別決勝 女子ゆか(北九州市・総合体育館)
最も得意としたゆかでのラストダンスを終えた村上茉愛(25)=日体ク=は、別れを告げるかのようにフロアに向かって一礼した。表彰式後には客席に残っていたファンに向かい、「私はきょうで引退します」とサプライズで報告。金メダルを自らへのはなむけに、引退の意思を明らかにした。
山あり谷ありの体操人生を表すかのような終幕だった。H難度のシリバスなどを盛り込んだダイナミックな演技に対し、当初の採点は13・966でこの時点での2位。直後に村上陣営からの「インクワイアリー(問い合わせ)」を受けてスコアが上方修正され、14・066でトップに立った。
「成績が上がったり下がったり。気持ちがぶれたり。いろんな道を歩んだけど、最後に五輪と世界選手権で成績を残せた。やってきたことは間違っていなかった」と村上。引退の理由には持病の腰痛や精神面を挙げ、「ギリギリの状態を保ってやってきたが、いいときに最終地点を決めようと思った」と語った。
2017年世界選手権ゆかで金、18年は個人総合で銀。そして東京五輪ではゆかで銅メダル。男子に比べ低迷していた女子体操界を1人で引っ張ってきた。今後については、「五輪でたくさんの選手がメダルを取れるように。そのお手伝いがしたい」と後進の指導に携わる。第2、第3の村上の育成が、新たな夢だ。
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