「日本沈没」を世界配信 TBSとNetflixの強力タッグ第1弾 約30言語に字幕翻訳予定
- エンタメ
- 2021年10月6日
TBSが動画配信サービス「Netflix」とタッグを組み、番組を世界配信することになった。10日に看板ドラマ枠・日曜劇場でスタートする小栗旬主演「日本沈没―希望のひと―」(日曜後9・00)を、毎週放送直後の深夜0時から190以上の国や地域に一斉配信。「ドラマのTBS」が世界的ヒットを狙う。
新たな収入源を得るとともに、世界に「TBS」の名前を広めることが目的。Netflix側も良質な作品を配信することで会員数増加につなげたい考えで、両者の意向が一致して実現した。
第1弾が「日本沈没」。小松左京氏のSF小説を原作に、未曽有の事態に立ち向かう人々の姿を描くドラマ。約30言語に字幕翻訳される予定で、担当者は「重厚なつくりの日本沈没は世界への名刺代わりになる」と説明した。日本の地上波ドラマが放送後すぐに世界配信されるのは初の試みだ。
さらにTBSはNetflixオリジナル番組の制作にも乗り出す。90年~00年代に人気だったバラエティー番組の恋愛リアリティー企画「未来日記」を復活させ、現代版の新シリーズを12月から配信。さらに、宮藤官九郎と大石静氏の二大脚本家が共同執筆するドラマ「離婚しようよ」を2023年に配信する。この2作は地上波放送されない。TBSはコンテンツ企業として制作を担うことになる。
海外市場への展開は日本のテレビ業界の大きな課題だ。もともと日本はアジアのドラマ先進国だったが世界配信が主流となった現在、韓国や中国に後れを取っているのが実情。特に昨年から「愛の不時着」「梨泰院クラス」など、世界市場を見据えて巨額の制作費が投じられた韓国ドラマが世界的にヒット。日本のテレビ局に大きな衝撃を与えた。
TBSの番組が世界でどのような評価を受けるのか。今後のテレビ業界にも影響を与えそうだ。中谷弥生DXビジネス局長は「今後もTBSグループのコンテンツを世界の皆さまに届け、世界コンテンツと切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と話している。
《会員2億人超》Netflixは97年に米国で設立。当初はDVDレンタル業が主体で、07年に動画配信サービスを開始。日本では15年に定額制動画配信サービスを開始し、昨年8月末の時点で有料会員が500万人を突破した。今年6月現在で、全世界の会員数は2億900万人。日本における市場規模は、19年の2392億円から昨年は3238億円と拡大(ジェムパートナーズ調べ)。Netflixは19・5%でシェア1位となっている。
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