日本航空が資金調達の詳細発表…劣後ローンで2000億円、社債「劣後債」で1000億円
- 政治・経済
- 2021年9月11日
日本航空は10日、月内にも実施する3000億円程度の資金調達の詳細を発表した。三菱UFJ銀行などメガバンク3行と日本政策投資銀行から、劣後ローンで2000億円を調達するほか、「劣後債」と呼ばれる社債を1000億円程度発行する。コロナ禍の長期化で需要低迷から脱却できておらず、財務基盤を厚くし、成長投資にも充てる。
劣後ローン、劣後債とも返済順位が低く、一部は資本とみなされる。
銀行からは9月末に1500億円、11月末に最大500億円を借り入れる。一方、劣後債の発行は10月中旬を想定しており、投資家からの引き合いが強ければ金額が変わる可能性もあるという。
日航は、昨年も公募増資で約1800億円を調達しており、自己資本比率は6月末時点で42・4%ある。オンラインで同日記者会見した日航の木藤祐一郎財務部長は「(資金調達は)先手先手でやっていきたい。自己資本比率は高いが、(先行きは)厳しい状況も想定しなければならない」と説明した。
経営環境は厳しい。感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の流行などで、日航の7月の旅客数は国際線でコロナ禍前の9割減、国内線も半分に達していない。「8月の時点でも残念ながら厳しい」(木藤財務部長)のが現状で、2022年3月期連結決算の業績予想は未定となっている。
調達した資金は、コロナ禍後を見据えた投資にも振り向ける。燃費の悪い大型機を環境性能の高い機材に交代させていくほか、格安航空会社(LCC)の事業強化などに充てる。
読売新聞より転用
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