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好調J1福岡は再び試練を乗り越えられるか 鍵を握る選手は


J1アビスパ福岡が再び上昇気流に乗ってきました。無敗を続けていた川崎を止め、徳島戦は今季のリーグ戦で最多の3得点で快勝し、ともにベスト電器スタジアムを歓喜に包みました。ホームで最高の結果を残した福岡がさらに上昇し、J1残留への確信を得るためには鹿島、湘南と続く敵地の2試合が非常に大切になります。コラム「“福岡”を語ろう」の今シーズン11回目。フリーライター島田徹氏は、この2試合のキーマンに警告累積による2試合出場停止が明けるDFドウグラスグローリ(31)を挙げました。

◇ ◇

川崎に今季初の黒星をつけ、同じ今季昇格組の徳島に今季最多の3ゴールを集めて2連勝。今回は好調アビスパ福岡が挑む11日の鹿島戦と18日の湘南戦の勝負のポイントを探ります。

残り11試合も、失点を抑えながら得点機会を粘り強くタイミング良くつくる、というこれまで通りのスタイルで戦い抜くことになりそうです。そうなると、10位以内という目標達成のための鍵になるのはチームのストロングポイントである守備になるわけで、鹿島戦と湘南戦もそこに注目すべきでしょう。

福岡の守備スタイルは前線から相手の攻撃に規制をかける組織力を前面に出して表現するものですが、この2戦はセンターバック(CB)の働きが重要になると考えます。なぜなら、鹿島、湘南とともに優れたストライカーを擁するからです。

鹿島のチーム得点王は9ゴールを挙げているトップ下の荒木ですが、最も警戒すべきは1トップを務める上田です。U-24(24歳以下)日本代表として東京五輪にも出場した23歳は、背後への抜け出し、ポストプレー、多彩なシュートを誇るオールラウンドな能力を備えるFW。リーグ戦2試合連続ゴール中と好調であることも警戒選手として挙げる理由です。

湘南戦では皆さんご存じのウェリントンを抑えなければいけません。福岡でも活躍した大砲は5月の今季1度目の対戦でフル出場しましたが、うまく抑えることができました。しかし、その時は4月にチームに合流したばかりでコンディションが不十分だったことなども勘案しなければなりません。現在は5ゴールでチーム最多得点を挙げていますから5月の時のように大人しくしてはくれないでしょう。

鹿島戦のセンターバックは奈良が鹿島からの期限付き移籍選手であり契約上出場できないので、宮とドウグラスグローリのコンビに、湘南戦は奈良とグローリの組み合わせになると予想。宮と奈良の働きも大事ですが、2試合で先発が予想されるグローリの働きはさらに重要になります。

鹿島の上田には今季、ルヴァンカップの1-5の大敗を喫した試合で2ゴールを許しました。上田の2得点目はグローリが対応し、シュートフェイクに惑わされて決められました。グローリは修正能力にたけている選手ですから、悔しい記憶を反発エネルギーとして今度は抑えてくれるでしょう。

湘南のウェリントンとのマッチアップは激しいフィジカルコンタクトを伴う格闘技のごときものになりそう。激しさに加えて駆け引き上手なのもグローリの特長です。連勝を「4」にまで伸ばすためのキーマンはグローリで決まり! 両FWとの激しいバトルに注目です。

島田徹(しまだ・とおる)1965年3月28日生まれ。広島県出身。小学5年から福岡大1年までサッカーをプレーし、ボランチやサイドバックを務める。98年からサッカー専門誌の編集部に勤務し、アビスパの取材も開始。2008年から福岡拠点のフリーライターに。

福岡は鹿島にJ1リーグ戦で通算2勝1分け16敗。今季は3月17日のホームでの対戦で15年ぶりの白星を挙げた。敵地でも勝てば、年間リーグ戦2勝の“シーズンダブル”を初めて果たすことになる。湘南には5月22日の対戦で2-1と勝利するなど、J1で5連勝中。J2でも湘南が優勝した2017年にシーズンダブルを達成するなど相性のいい相手だ。

▼8・22 アウェーで名古屋に0-1で敗れる。0-0の後半4分にシュビルツォクに先制点を決められ、3試合ぶりの黒星を喫した。

▼8・25 ホームで川崎に1-0で勝利。後半21分にクルークスが得意の左足で先制点を決め、首位の川崎に今季初の黒星をつけた。

▼8・29 ホームで徳島に3-0で勝利。金森の先制点とマリの2ゴールで完勝して勝ち点を39に伸ばし、2000年の37を上回るJ1でのクラブ史上最多勝ち点に到達した。

西日本スポーツより転用

 


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