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中国が改正海上交通安全法施行 尖閣での緊張懸念


【北京=三塚聖平】中国は1日、海事当局の権限を強化する「改正海上交通安全法」を施行した。中国の領海を脅かす可能性があると判断した外国船に退去を命じ、追跡する権限を与えた。2月施行の海警法に続く海洋関連の法整備で、対立する米国などをにらみ海洋権益確保へ体制を強化する狙いがあるとみられる。

これにより、交通運輸省に属する海事局の権限を強化する。中国国営新華社通信が1日に配信した記事によると、海事局の曹徳勝局長は「海上安全保障能力の向上や、資源ルートの安全保障、国家海洋権益を守るうえで重要な意義を持つ」と強調した。

改正法は、外国船が中国の領海の安全を脅かす可能性があれば、退去を命じる権利があると明記。中国の法律に違反した外国船を追跡できるとも規定した。

海事局が8月27日に発表した公告によると、海上交通安全法に基づいて中国の領海を航行する外国の潜水艦や、原子力を動力とする船舶、化学品など有害物質を運搬する船舶などに対し、9月1日から目的地や危険貨物の内容を報告するよう求めた。ただ、同公告は「中国の海上交通安全に危害が及ぶ可能性がある船舶」も報告対象になると定めており、表現があいまいなため、海事局のさじ加減によって摘発対象となる恐れもある。

中国は、東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)や、南シナ海の諸島を自国領土と定めているため、海事局が現場でとる対応がどのように変化するのか注視される。緊張が高まる恐れもあり、日本も警戒が必要になるとみられる。

中国は、海警法の施行で海上警備を担う海警局(海警)に武器使用を認めるなど、自国の海洋進出を支える態勢固めを活発化させている。海事局は主に海上の交通管理や汚染防止などを担っており、法改正を受けて急激に役割を変化させることはないとの見方が強い。しかし、海事局は現在、大型船の建造など体制強化を進めており、将来、海警と連携して尖閣周辺で日本側と対峙(たいじ)するような事態が懸念される。

産経新聞より転用


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