「以降、直哉氏は事務所を離れて中国ビジネスに傾倒していきます。とはいえ、2015年に総務会長だった二階氏が主導して約3000人にのぼる大訪中団を結成した時には、その一員として直哉氏も同行していました。同じ年に、直哉氏は日本とベトナムが共同開催した交流イベントの実行委員に加わっていますが、ベトナムは二階氏が友好議員連盟会長を務めるなど、縁の深い国。直哉氏は父親の政治活動の周縁で仕事をしていると言えます」(二階家を知る人物)
現在は、地域活性化を手掛けるコンサルタント会社の代表取締役や、一般社団法人の理事などを務めている。
その直哉氏が白いシャツに黒いジャケット姿で、知人2人とともに銀座に現れたのは、8月17日の夜8時20分。ゲリラ豪雨に見舞われた最中、和服女性に先導され、雑居ビルに吸い込まれていく。向かった先は、直哉氏の行きつけという会員制クラブ「S」だった。
一行が店の入るビルから出てきたのは、約4時間半後の翌18日深夜0時40分過ぎ。上機嫌の直哉氏らは路上で立ち止まり、一人のスマホを皆で覗き込んで大爆笑したり、マスクを顎まで下げて歩いたりしていた。その後、自宅マンション近くでタクシーを降りた直哉氏。付近の駐車場で煙草を吸ってから、千鳥足で帰宅するのだった。
だが、緊急事態宣言中の東京都では酒類を提供する飲食店には休業要請が出され、都民は、要請に応じない店の利用を厳に控えるよう呼びかけられている。
直哉氏はどう答えるのか。携帯電話で話を聞いた。
「勘弁してもらえねぇかな」
――8月17日夜に銀座のクラブに行った?
「仕事の付き合いでそういうことも。(相手が)地方から出てきた場合は。今回(の同行者)もコンサル先。今は政治に関わってないし、勘弁してもらえねぇかな」
――訪中団に参加していた。
「それだって自費ですよ。政治の関係で人をたくさん送り込みたいと言ったから、行っただけで。(政治は)家業でも何でもないし、俺はそんな志はない。後継問題も俺には関係ないよ」
二階幹事長にも見解を尋ねたところ、書面で以下のように回答した。
「本人に確認したところ、飲食店に行ったことを確認しました。緊急事態宣言の中、極めて不適切な行為であることから厳重注意をしたところです」
8月25日(水)16時配信の「週刊文春 電子版」及び8月26日(木)発売の「週刊文春」では、二階氏の次男・直哉氏の銀座での「酩酊写真」のほか、二階氏の最側近である林幹雄幹事長代理を悩ます長男県議の「不倫報告書」の存在、安倍晋三前首相や麻生太郎副総理、二階氏らが挙って菅義偉首相の再選を支持する背景など、「噴き出す政権の闇」を総力特集している。
週刊文春より転用