ソフトバンク、いきなり試練 モイネロ離脱 左手首の違和感で8月不在も
- スポーツ
- 2021年8月13日
前半戦4位からの反攻ダッシュを狙う工藤ホークスに暗雲が垂れこめた。後半戦開始前日の12日、セットアッパーのリバン・モイネロ投手(25)がリハビリ組でスタートすることが明らかになった。左手首の違和感で、当面はノースロー調整の見込み。長引けば8月中は不在の可能性もあり、首位のオリックスを4ゲーム差で追うチームにとっては非常に痛いアクシデントとなった。
■一丸で乗り切る
反攻への起点となる13日の日本ハム戦(ペイペイドーム)を翌日に控え、衝撃が走った。絶対的セットアッパーのモイネロがリハビリ組へ。逆転リーグVへ重要な後半戦のスタートダッシュに暗雲が垂れこめた。
モイネロは東京五輪に伴う中断期間中に開催されたエキシビションマッチでは2試合に登板。いずれも1回を無失点と安定感を見せていたが、5日の巨人との同マッチ(同)に登板後、左手首の違和感を訴えたという。既にリハビリ組に合流。患部の状態は軽度とみられるが、今週いっぱいはノースローの見通しだ。実戦復帰には慎重な調整が必要となるだけに、長引いた場合、8月中はモイネロを欠いての戦いを強いられる恐れがある。
昨年の最優秀中継ぎ投手は、今季前半戦はキューバ代表で出場した東京五輪米大陸予選の影響で離脱期間が長く、23試合の登板にとどまったが、防御率0・39。そんな左腕が今度はアクシデントで戦列を離れた。
一方、工藤監督は12日の全体練習でナインを鼓舞した。「侍ジャパン」の一員として金メダル獲得に貢献した柳田、甲斐らも合流。勢いをチームに持ち込むことも期待し「五輪で頑張っている姿がみんなに勇気を与えた。もらった勇気を力に変えて。野球ができる喜びを感じ、感謝して。残り55試合を大事にして、最後に笑えるように頑張っていこう」などと訓示した。
工藤監督が率いる2015年以降では初のBクラスターンとはいえ、首位オリックスとは4ゲーム差。2年連続のリーグ優勝に向けて悲観する状況ではない。それだけに指揮官は「みんなにも話したが、頂点を目指すのがホークスに課せられた義務。まずは8、9月というところで捉えている」と“前線”に身を置きながら、最後に先頭でゴールテープを切ることだけを見据えている。
そんな中で反攻に必要な戦力を欠くことになった。東京五輪に出場した千賀とマルティネスがローテーションに戻る先発投手陣とアルバレスが加入した打線が中心となってカバーするしかない。工藤監督は「誰か一人の力ではない。みんなで力を合わせて戦っていく」と強調。V5への試練をチーム一丸で乗り切る。(山田孝人)
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