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侍ジャパンがサヨナラ!甲斐劇打、米をタイブレーク倒 4日決勝進出かけ宿敵・韓国と激突


東京五輪第11日・野球 準々決勝、日本7×-6米国=延長十回(2日、横浜スタジアム)1次リーグA組を1位通過した野球日本代表「侍ジャパン」は、準々決勝でB組1位の米国と対戦し、タイブレークの末に7-6で今大会2度目のサヨナラ勝ちを飾り、準決勝進出を決めた。延長十回1死二、三塁から、甲斐拓也捕手(28)=ソフトバンク=が右越えにサヨナラ打を放ち、3時間53分の死闘を制した。4日午後7時開始の準決勝で宿敵・韓国と激突する。

信じ抜いて、歴史の扉をこじ開けた。延長十回1死二、三塁。甲斐が右越えに劇的なサヨナラ打を放ち、五輪の米国戦では1996年のアトランタ大会以来の勝利を挙げ、準決勝進出を決めた。

「いろいろ考えられる状況だった。監督の話も聞いて、頭を整理して打席に入れた。外野手が1人内野に来ていたので、初球からしっかり振りに行こうとした結果」

身長170センチ。小さな体ながら反骨心で日本代表まで成長した甲斐の声は、震えていた。初戦のドミニカ共和国戦でスクイズを決め、メキシコ戦では3安打を放ったが、3戦目で初めて先発を外れた。九回の守備から途中出場し、延長十回に迎えた初打席。米国は中堅手・ロペスが二塁手と遊撃手の間に入る内野5人制を敷く中、迷いなく初球を振りぬき、右翼フェンスまで運んだ。

稲葉監督の執念が『結束』を呼んだ。同点の五回に青柳が3ランを浴びたが、直後に不振の4番・鈴木誠が今大会初安打となる左越えソロを放った。タイブレークの延長十回無死一、二塁からは村上に送った代打・栗原が初球に犠打を決め、甲斐も初球を捉えた。わずか2球で勝負を決めた。

「栗原君が本当によく決めてくれた。あそこで選手がグッと一つになった気がします」。指揮官は初出場ながら重圧のかかる場面で犠打を決めた〝脇役〟を真っ先にたたえた。ドミニカ共和国戦に続くサヨナラ勝利。敗れれば敗者復活戦にまわり、強行日程を強いられる中、文字通り大きな勝利となった。

3日は稲葉監督の49歳の誕生日。「選手は諦めることなく、最後まで本当に全力で頑張ってくれたと思います」。3時間53分の激闘の末に待っていた歓喜の瞬間に指揮官が、選手が最高の笑顔をみせた。

難敵を下し、4日の準決勝では韓国と激突する。選手として出場した2008年の北京五輪準決勝で宿敵に敗れた指揮官は「韓国も(1日のドミニカ共和国戦で)サヨナラ勝ちと非常に終盤の粘りもありますし、強いチームだと思っております」と表情を引き締めた。『結束』を強めた侍ジャパン。悲願の金メダルまであと2勝だ。

サンケイスポーツ より転用


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