夏休みの感染防止呼び掛け 西村氏「炎上」で尾身氏にお鉢回る
- 政治・経済
- 2021年7月17日
夏休み期間中の感染拡大防止を16日の記者会見で呼び掛けたのは、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長だったが、当初政府内で想定されていたのは新型コロナ担当の西村康稔経済再生担当相だった。ただ、西村氏は酒類提供停止の要請に応じない飲食店に金融機関などから働きかけようとしたことが世論の反発を招き、撤回した経緯があり、呼びかけ役として不適任と判断された。
関係者によると、今月初旬ごろから内閣官房を中心に呼びかけ内容について検討を重ねており、関係者は「西村氏が記者会見で発表する段取りだった」と明かす。ところが、西村氏は飲食店への酒類販売規制を巡り、金融機関や酒類販売事業者から働きかける趣旨の発言がネットを中心に「炎上」。西村氏は「趣旨を十分に伝えられず反省している」とおわびをし、撤回に追い込まれた。菅義偉首相が閣僚会議で発言する案もあったが、これも見送られ、最終的に尾身氏にお鉢が回ってきた。
尾身氏も15日の参院内閣委員会の閉会中審査で、「人々の行動制限だけに頼るという時代はもう終わりつつある」と発言しており、今回の呼びかけ内容との整合性が問われかねない。分科会メンバーの一人は「『西村さんが適任じゃないから尾身さんを』といっても、専門家としてもマイナスになりかねない。困ったものだ」とぼやいている。【阿部亮介】
毎日新聞より転用
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