バイデン氏、サイバー攻撃で露に対応要求 米露首脳が電話協議
- 国際
- 2021年7月10日
バイデン米大統領は9日、米国企業へのサイバー攻撃に関しプーチン露大統領と電話で協議した。バイデン氏は、ロシアを拠点とする犯罪集団を取り締まるようプーチン氏に要求。「米国は国民や重要なインフラを守るため、必要なことは何でもする」と述べ、ロシア側をけん制した。
ホワイトハウスが9日、明らかにした。両首脳は、6月16日にスイス・ジュネーブで会談し、サイバー攻撃に関する協議を始めることで合意した。しかし、その後も米国企業への攻撃は続いている。米側は、ロシア政府が犯罪集団の行為を黙認しているとみており、対応を強く促したものとみられる。
バイデン氏が強調したのは、システム復旧などの見返りに金銭を要求する「ランサム(身代金)ウエア」と呼ばれるコンピューターウイルスを使ったサイバー攻撃への対応だ。今月になり、米IT企業カセヤが提供する企業向けソフトウエアが標的となり、利用企業への被害が拡大していることが明るみに出た。米メディアによると、ロシア拠点のハッカー集団が盗んだ情報などと引き換えに約7000万ドル(約78億円)を要求したという。
米国内では5月以降、ランサムウエアによる攻撃で石油パイプラインや食肉加工工場の操業に相次いで支障が出た。ロシア側は関与を否定している。米露首脳会談で、バイデン氏は米国の重要なインフラ施設16カ所のリストを示し、標的にしないよう警告した。来週には、米露の専門家による会合が開かれ、ランサムウエアを使った攻撃について協議する予定になっている。【ワシントン鈴木一生】
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