ペルー検察がケイコ氏の拘束令状申請 大統領選敗北前提の捜査か
- 国際
- 2021年6月12日
6日に投開票されたペルー大統領選決選投票の開票作業が大詰めを迎える中、検察当局は10日、中道右派の野党党首ケイコ・フジモリ氏(46)について、自身が起訴された過去の汚職事件の関係者に接触したとして、保釈取り消しと拘束令状の発付を裁判所に申請した。劣勢が伝えられるケイコ氏側は敗北を認めず、選挙では不正が行われたとの主張を崩していないが、捜査当局はケイコ氏の敗北を前提に捜査を再開させた模様だ。
選挙管理委員会によると、開票作業はほぼ完了したが、最大15万票の疑問票の精査が残っており、最終確定はしていない。疑問票を除く開票結果では、急進左派の小学校教師、ペドロ・カスティジョ氏(51)が得票率50・2%でケイコ氏の49・8%をわずかに上回っている。
検察は、2011年と16年の大統領選を巡る不正資金受領疑惑などで18年から捜査を本格化。ケイコ氏は通算1年以上にわたる拘束を経て、事件関係者と接触しないことなどを条件に昨年5月に拘束を解かれた。大統領には不逮捕特権があり、ケイコ氏が当選すれば任期満了となる26年まで捜査は停止される予定だった。
地元メディアによると、ケイコ氏は9日の記者会見に所属政党の弁護士を同席させたが、この人物は汚職事件に関与し、証人にもなっていた。検察はこれを保釈の条件に違反した「証拠」として問題視している。
一方、カスティジョ氏は10日、アルゼンチンの左派政権を担うフェルナンデス大統領からの祝福メッセージに返信する形で「一緒に中南米のために働く」とツイートし、当選に自信を見せている。【サンパウロ山本太一】
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