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コロナ禍で出生減加速、海外も 生活不安や母子感染懸念


世界各国の出生数に、新型コロナウイルスの感染拡大が影を落としている。将来への不安などから、フランスや米国では70年代以来の水準に減少した。もともと進んでいた少子化を、さらに加速させるとの警戒感が広がっている。

フランスは1月に生まれた子どもの数が5万3900人と、前年同月比で13・3%減った。仏国立統計経済研究所(INSEE)によると、ベビーブームが終わった直後の1975年以来の落ち込みだ。

新型コロナの感染が欧州で広がり始めた頃に妊娠が控えられた原因として、INSEEは「将来(の生活設計)に不安を抱くカップルが多かった」「新型コロナが母子感染するか不明だった」「不妊治療を担う医療機関が閉鎖していた」といった可能性を指摘。「新型コロナの危機が出生数低下に大きな影響を与えたと考えられる」と結論づけた。スペインでも同じ傾向だが、その後は両国とも増加傾向に。フランスでは3月に生まれた子どもの数が昨年同月比で0・8%の増加に転じた。4月は4・3%増だ。スペインも3月に2・5%の増加に転じた。

外出禁止令が緩和され、生活への不安が和らいだことや、医療機関へのアクセスがしやすくなったことなどが影響した可能性がある。

多くの先進国では出生数が減少傾向にあり、コロナが拍車をかけた面もある。

米国では昨年12月の出生数が前年同月比7・7%減の約28万5千人で、20年全体では前年比3・8%減の約360万人。米疾病対策センター(CDC)によると、1979年以来の低水準だったが、減少はピークの2007年から続く。

米国では昨年3月末に新型コロナの感染者数が急増。4月には毎日3万人前後が報告されるようになった。感染拡大による出生数への影響が出るとしても20年の年末からだと考えられている。もともと子どもを産む世代の出生率が減る傾向も続いている。結婚する年齢が遅くなり、教育を受ける機会も広がっていることなどが背景にあるとみられている。

米紙ワシントン・ポストで専門家は「2020年の最後の6週間で、感染拡大の影響により出生数が4万人減り、21年はさらに影響が大きくなる」とした一方、年間の出生数は2007年から約70万人減っていることから、「一時的な現象である限り、パンデミックによる影響は大きな問題ではない」と指摘した。

朝日新聞より転用


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