立川志の春、真打ち昇進1年後にようやく披露口上が実現 師匠・志の輔の言葉に感謝
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- 2021年5月31日
昨年4月に真打ちに昇進した落語家・立川志の春(44)が30日、東京・半蔵門の国立演芸場「立川流落語会」で真打ち昇進披露公演を行った。
立川志の輔(67)の3番弟子の志の春は、米エール大卒で三井物産に就職してから入門した異色の経歴だ。昨年4月の昇進直後に緊急事態宣言が発令され、当初予定していた披露公演とパーティーは中止。ともに秋に延期したが開催できなかった。
今回は昇進から約1年後に実現した晴れ舞台。立川談志の総領弟子で立川流の代表・土橋亭里う馬(72)や師匠・志の輔らが口上に並んだ。志の輔は自身の海外公演に志の春を連れて行ったエピソードを紹介。「英語は堪能で、英語落語で外国人が笑うんです。その分、日本語が少し不自由で…。見事に克服して、本当に“志の春落語”というものをを確立しつつある。世界中の人間に落語を広めることができる唯一の存在だと思う」と笑いを交えながら絶賛した。
トリで志の春は、結婚直前の娘と父親を描いた自作の新作落語「ケセラセラ」を口演。「こういう落語を作るヤツだということを知ってもらおうと…。失敗してもチャレンジし続けたい」と古典を選ばなかった理由を明かした。昇進直後にコロナ禍に見舞われたが「立川流のスピリットはハングリー精神だと思うので、試されている。転んでもただでは起きません」と話した。
落語会が次々と中止となる中、オンライン落語会などで活路を見いだしてきた。久々に観客を前にした高座で、門出を祝福する万雷の拍手を浴び、「拍手が心地よかったです。純粋にうれしかった。師匠に対して感謝の気持ちが大きいです」と喜びを語った。
◆立川志の春(たてかわ・しのはる)本名・小島一哲。1976年8月14日、大阪生まれ。44歳。千葉・渋谷教育学園幕張中学校・高校を経て米エール大に進学。TOEFL667点(676満点)。三井物産を経て、2002年、立川志の輔に入門。11年に二ツ目昇進。昨年4月に真打ち昇進。
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