ノジマ社長、スルガ銀副会長を退任 経営対立、資本提携見直しへ
- 政治・経済
- 2021年5月28日
経営再建中のスルガ銀行は27日、筆頭株主の家電量販大手ノジマの社長で同行副会長を務める野島広司氏が、6月29日開催予定の株主総会で退任すると発表した。同行は嵯峨行介社長らの続投を総会に提案する。27日の取締役会で決定した。スルガ銀とノジマは経営再建の方向性をめぐって対立しており、資本・業務提携の解消に向けた協議が加速しそうだ。
スルガ銀は2018年、投資用不動産融資の不正問題から経営危機に陥った。19年5月にノジマと業務提携し、同年10月に18.5%の議決権を持つ筆頭株主となった同社の支援を受けて経営再建を進めてきた。
だが、ノジマが当初描いていた金融サービスとITを融合したフィンテック分野での連携は具体的な成果を出せておらず、再建の進め方に関し「見ている方向が違う」(金融関係者)との指摘も出ていた。
経営方針や意思決定のスピードなどをめぐって溝が深まり、ノジマ側は6月29日の株主総会に向け、嵯峨社長を含む過半数の取締役を代える独自の人事案を提出していたが、退けられた。関係者によると、スルガ銀は野島氏に会長就任を打診したが、不信感を募らせていた同氏は拒否して退任を選んだという。
ノジマは5月27日の取締役会を前に、同案の否決に備え、資本・業務提携の見直しを申し入れるなど揺さぶりをかけていた。同社は27日朝、提携見直しについて「今後、協議の場を設けることを予定している」とのコメントを発表。今回の取締役会の結果を受けて本格協議に入るとみられる。
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