大阪は医療厳戒態勢の5連休 緊急事態宣言延長、連休明けに判断
- 政治・経済
- 2021年5月1日
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う病床逼迫(ひっぱく)を受け、大阪府は大型連休で医療体制が手薄になる可能性があるとして、コロナ患者の治療にあたる府内約150の医療機関に通常並みの体制を維持するよう求めた。一部の医療機関は増床に応じるなど厳戒態勢の5連休が5月1日に始まる。
大阪府の要請を受け、大阪大病院(同府吹田市)は1日から10日まで、30床ある集中治療室(ICU)を全てコロナ専用にする。このため、心臓疾患や消化器系のがんなど、術後にICUを使用する手術約10件の延期を決めた。10日以降は新規のコロナ患者を受け入れず、徐々にコロナ以外の患者を入院させるという。
大阪市立大病院(大阪市阿倍野区)では4月26日までに、重症コロナ病床を10床から20床に増床。さらに府の要請で1床積み増した。柴田利彦副院長は「ギリギリから、さらにギリギリの状態になっている。自分は心臓外科が専門だが、手術は全て止めた。脳外科もほとんど止めている。本来、診るべき患者を治療できない状況になっている」と危機感を募らせる。
大阪府は30日、自宅療養者の容体急変に備え2カ所目の「入院患者待機ステーション」(8床)を大阪市内に開設した。和歌山県からDMAT(災害派遣医療チーム)の医師の派遣を受け、5月11日まで6人が交代で対応に当たる。
府内では30日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1043人確認された。
吉村洋文知事は、5月11日が期限の緊急事態宣言について、連休明けの6日か7日に対策本部会議を開き、政府に延長を要請するかどうか判断する考えを示した。連休中の感染者数や病床の逼迫度を見極めるという。吉村知事は「感染状況が極めて厳しく、医療従事者も必死に活動している。不要不急の外出自粛を」と呼び掛けた。【近藤諭、松本光樹、矢追健介、新宮達】
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