日米など14か国、コロナ起源調査に懸念 WHO報告書受け共同声明
- 国際
- 2021年3月31日
【AFP=時事】(更新)日米など14か国は30日、世界保健機関(WHO)の調査団がまとめた新型コロナウイルスの起源に関する報告書公表を受けて共同声明を出し、調査について懸念を表明するとともに、中国が専門家に対して「完全」なアクセスを提供することを要請した。
共同声明には日米のほか、英国、オーストラリア、カナダ、韓国、チェコ、デンマーク、エストニア、イスラエル、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、スロベニアが参加。「われわれは、最近、WHOが中国で実施した調査について、共通の懸念を表明する」とした。
また、「国際専門家による調査の実施が大幅に遅れ、完全なオリジナルのデータ及び検体へのアクセスが欠如していた」と指摘。「独立した専門家にとって、今回のパンデミックがいかにして発生したのかを判断するためには、関連する全てのヒト、動物、環境のデータ、研究、発生初期段階に関わった当事者に完全にアクセスできることが極めて重要である」と表明した。
米国はドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領の下でWHOからの離脱を表明していたが、共同声明では姿勢を転換させ、WHOと協力する意向を表明した。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長もこれに先立ち14か国と同様の批判を展開し、国際チームが武漢(Wuhan)で実施した実地調査では、手が加えられていないデータの入手が困難だったと述べていた。
共同声明とテドロス氏はいずれも中国には直接言及しなかったが、中国外務省はテドロス氏の見解に反発。中国政府は「開放性と透明性、責任ある態度」を全面的に示してきたと主張した。
一方、WHOは30日、ドイツ、フランス、韓国、南アフリカなど20か国余りの首脳と共同声明を出し、将来の疾病流行に各国が備えるための新たな国際条約の締結を呼び掛けた。
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