政府、大阪に「まん防」初の適用へ調整 府の要望受け
- 政治・経済
- 2021年3月31日
政府は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が深刻化している大阪府に、特別措置法の改正で新設された「まん延防止等重点措置」(まん防)を初めて適用する方向で調整に入った。大阪府は週内にも、まん防を適用するよう政府に要請する方針だ。
複数の政府関係者が明らかにした。政府は府からの要望を受け、速やかに専門家らに適用の是非を諮り最終判断する構え。首相官邸幹部は「知事の判断は尊重し支援する」と語った。
まん防は業種や地域を絞り、営業時間短縮の要請や命令を可能にするもので、命令違反者には20万円以下の過料を科すこともできる。政府は、府全域ではなく地域を絞って適用する方向で検討する。府には、緊急事態宣言下と同じ午後8時までの短縮要請を行うことも求める考えだ。
■営業時間、さらに短縮要請も
大阪市の松井一郎市長は30日、記者団に対し、まん防を来月5日にも同市に適用するべきだとの考えを示した。「いまの感染者数の増加スピードを見れば、(政府には)速やかに重点措置のエリアとしていただきたい」と語った。
松井氏はまた、まん防が適用された場合、市内の飲食店などを対象に行っている営業時間の短縮要請について、現在の午後9時からさらに早める必要性にも言及。「何時にするのかは国が決定する話。その決定に基づいて対策を講じたい」とした。
大阪府は30日、府内で新たに432人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表。1日あたりの新規感染者が400人を上回るのは、421人だった1月24日以来、約2カ月ぶり。府内ではこの1週間、新規感染者が200人を超える日が続いており、吉村洋文知事は「第4波」に入ったとの認識を示している。
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