衆院解散議論?広がる臆測=首相、安倍氏と半年ぶり会談
- 政治・経済
- 2021年3月30日
菅義偉首相は29日、安倍晋三前首相を衆院議員会館の事務所に訪ね、約50分間会談した。二人きりで会ったのは昨年10月以来約半年ぶり。両サイドとも来月8日からの首相初訪米に向けた準備とするが、自民党内では「衆院解散も話題に出たのでは」と臆測が広がっている。
「先週予算が成立し、来月は訪米するので、8年間にわたり政権を担った安倍前首相にお会いし、内政、外交について意見交換した」。会談後、首相官邸に戻った首相は記者団にこう説明し、「非常に有意義だった」と強調した。衆院選の話題は出たかとの質問には答えず、その場を後にした。
首相が安倍氏と前回「サシ」で会ったのは、初外遊の東南アジア訪問を控えた昨年10月1日。首脳外交について助言を受ける目的だった。その意味で訪米前の意見交換は自然な流れと言え、実際、自民党内では「日米関係が話の中心だろう」(幹部)との見方が多い。
ただ、約10分間だった前回に比べ、今回の会談は際立って長い。首相自身が「内政」について話したと明言した点も異なる。
国会は先週末に2021年度予算が成立し、審議が一段落。首相としては、9月末の党総裁任期切れや秋までの衆院解散・総選挙をにらみ、政権の基盤固めをしておきたいタイミングだ。
首相は安倍氏に託された敵基地攻撃能力保有の結論を先送りするなどし、両氏は「微妙な間柄に変わっている」(閣僚経験者)とも見られている。安倍氏は党内最大の細田派を事実上率いる立場にあり、首相は表立って会談することで良好な関係をアピールする狙いがあったとの観測が出ている。中堅議員は、協力を仰ぐためにも「解散の時期は当然話しただろう」と指摘した。
一方、今回も前回と同様、首相が官邸に呼ぶのではなく自ら足を運ぶ形を取り、結果的に安倍氏の存在感を改めて示すことになった。同氏は「桜を見る会」前夜祭をめぐる問題で昨年末以降は表舞台の活動が減っているが、ある党関係者は「次の政局へ動きだしたということだ」と解説した。
時事通信より転用
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