「おうち花見」が人気…自宅で咲かせる鉢植えの桜、昨年の2倍の売れ行き
- 政治・経済
- 2021年3月29日
東京都内のソメイヨシノが満開となり、桜のシーズンも最盛期。新型コロナウイルスの影響で、桜の木の下での宴会はできない状況だが、「おうちで花見」を実現するサービスや商品が人気を呼んでいる。(田村美穂、浜名恵子)
渋谷区でドローン映像の制作などを行う「ドローンエンタテインメント」は2月、小金井市の浴恩館公園や長野県の高遠城址公園など、全国約50か所の桜をドローンで撮影した映像をホームページで無料公開した。
同社は昨年、東京五輪・パラリンピックを機に国内外に桜の名所を紹介しようと、クラウドファンディングで資金を集め、撮影を始めていた。ところが、コロナ禍で五輪は延期。映像は支援者限定で公開していた。
今回、長引くコロナ禍を受け、「新しい桜の見方を多くの人に知ってほしい」と、今年撮影したものを加えて一般に公開。今月27日には和歌山市の桜の生中継も行い、「ドローンだから見られる絶景」と好評だった。奈良県や富山県からの中継も予定している。
同社の横田淳代表(36)は「離れて暮らす家族や友達と同時に映像を見てリモートで花見をするなど、それぞれの方法で楽しんでほしい」と呼びかけている。
自宅で咲かせることができる鉢植えの桜も人気だ。港区の生花店「Hibiya―Kadan Style新橋駅店」の店頭には、「うち花見」を提案するパネルとともに、八重咲きの品種「旭山」を植えた小さな鉢が並ぶ。
店舗を運営する「日比谷花壇」によると、鉢植えの桜は、オンラインショップでは昨年の2倍の売れ行きで、今月中旬には品切れになった。新橋駅店でも残りわずかになっている。
千代田区の大丸東京店は、「おうち花見のススメ」と題し、花見気分を味わえる酒や弁当などをホームページで特集。桜色のワインや桜の葉を使ったパンなど食品約150種のほか、桜をあしらったワイングラスなどを紹介している。
17日から花見弁当の販売も始めたが、コロナ前の2年前と同程度の売れ行きだという。同店営業推進部の中西正明さん(55)は「外食ができない分、自宅で少し豪華に過ごそうというお客さんが増えている。この季節らしい弁当やワインがあれば、より楽しめるはず」と話している。
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