スーチー氏率いるNLD議員、国軍に対決姿勢 独自に閣僚任命
- 国際
- 2021年3月6日
アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟の議員らが結成した「連邦議会代表委員会(CRPH)」を支持する僧侶たち=ミャンマー中部マンダレーで2月27日、AP
アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)の国会議員らが、クーデターを起こした国軍への対決姿勢を打ち出し始めた。昨年11月の総選挙で当選したNLD議員ら380人で結成した「連邦議会代表委員会(CRPH)」は独自に「閣僚」を任命し、「選挙で勝利したNLDが政権を担うべきだ」と国内外に訴えている。
「(軍政の最高機関である)連邦行政評議会はテロ組織だ。クーデターを起こして不当に主権を奪った」。CRPHは今月1日の声明で、国軍を強い言葉で非難した。さらに「(国軍は)平和的なデモ参加者や不服従運動に参加する人々への銃撃や殴打、拘束などの罪を犯した。非武装の市民に対する宣戦布告に等しい」と主張した。 クーデター後、スーチー氏らNLD幹部は国軍に拘束された。だが昨年11月の総選挙で当選した議員らはCRPHを結成、今月に入って活動を本格化させている。2日にはスーチー氏が兼任していた外相など九つの閣僚ポストで大臣代行を任命し、「政府の職務を効率的に担うため、必要に応じて適切な人物を指名する」とする声明を出した。国軍側の連邦行政評議会は既に外相を含む閣僚を任命しており、それに対抗する形だ。 CRPHの結成を呼びかけた一人、ルウィンコーラット議員は毎日新聞助手の取材に「今後は、スーチー氏の解放と昨年11月の選挙の正当性を訴えていく。なるべく早い時期に国軍を相手取った裁判を起こし、クーデターの違法性を問う」と話す。 一方、国軍はCRPHを「違法」と主張。6日までにCRPHから脱退を表明しなければメンバーを「厳罰に処する」と警告し、在ミャンマーの各国大使館にCRPHとの連絡を禁じた。 チョーモートゥン国連大使は2月26日の国連総会で、CRPHが「合法的で正式に選ばれたミャンマー政府だ」と訴えた。国軍が大使解任を発表した後も、自身が正当な大使だと主張。米国務省は支持を表明した。国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)も「国際社会が(国軍による)政権に正当性や承認を与えないことが重要だ」と指摘する。【バンコク高木香奈】
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