Qアノン信奉者の共和党新人議員、ペロシ氏殺害支持するSNS投稿で窮地
- 国際
- 2021年1月31日
【AFP=時事】米極右陰謀論「Qアノン」の信奉者で、昨年の連邦議会選挙で初当選した共和党のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が、ソーシャルメディア上でナンシー・ペロシ下院議長ら複数の民主党政治家の殺害を示唆する投稿に「いいね」を付けたり、扇動的なコメントをしたりしていたことが明らかになり、米政界に波紋と激しい反発が広がっている。
ジョージア州選出のグリーン氏は、大統領選で不正があったとするドナルド・トランプ前大統領の根拠のない主張を支持している。また、銃所持の権利を熱心に擁護し、銃を携帯していることを公言している共和党議員の一人で、下院議場の入り口に最近導入された金属探知機による身体検査を拒否している。
今週明らかになった事実の中でも最も問題視されているのは、フェイスブック上でのグリーン氏自身の発言や、他のユーザーの投稿への「いいね」がペロシ氏の「処刑」を支持していると受け取れる点だ。
米CNNの26日の報道によるとグリーン氏は、あるユーザーが2019年に投稿したペロシ氏を排除するなら「頭に銃弾を撃ち込む」のが手っ取り早いとする主張に「いいね」を付けていた。
また、グリーン氏は連邦議会選挙に立候補する前、ペロシ氏を「反逆者」と呼び、「死刑」になり得ると主張する演説をフェイスブックに投稿していたことも、CNNによって明るみに出た。この投稿は、すでにフェイスブック上から削除されている。
グリーン氏をめぐっては、共和党下院トップのケビン・マッカーシー院内総務が面会して状況を協議する方針だと報じられたばかりだった。
この件についてペロシ氏は、28日の記者会見で強く非難。グリーン氏を名指しはしなかったものの、「下院の中に敵がいる」ため治安予算を増額する必要がありそうだと述べた。また、民主党のジミー・ゴメス下院議員は同日、「下院議員全員に(中略)危険をもたらす」存在だとして、グリーン氏の免職を求める動議を提出すると表明した。
窮地に追い込まれつつあるグリーン氏と共和党だが、一方で党内には、表立ってグリーン氏を批判する声は少ない。共和党指導部は先日、グリーン氏を下院教育労働委員会の委員に任命したが、同氏は2018年にフロリダ州パークランドで起きた高校銃乱射事件を「でっち上げ」だとする陰謀論を支持している。 【翻訳編集】AFPBB News
AFPBB Newsより転用
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