コロナ増床へICU内を区画分け、国が全額負担…プレハブ病棟新設も支援
- 企業・経済
- 2021年1月9日
新型コロナウイルスの急速な感染拡大で病床が不足するなか、厚生労働省は、集中治療室(ICU)内を壁で仕切って感染者の受け入れ区域を作る「ゾーニング」や、感染者専用のプレハブ病棟新設などの支援に乗り出した。既存の設備や敷地を利用して早急に病床を確保し、新型コロナの診療と通常の医療を両立させたい考えだ。必要な費用を国が全額負担する方針で、各都道府県などに通知した。
都道府県が確保している新型コロナの重症患者向け病床は6日現在で3582床にとどまっている。ICUや類似の機能を持つ病床は国内に約1万7000床あり有効活用が急がれるが、大部屋のことが多く、新型コロナの患者を受け入れてしまうと、感染のリスクが高まるために心臓病やがんなど他の患者を受け入れられなくなる。このため、新たな病床の確保が難しかった。
支援の対象となるのは、ICU内を仕切るベニヤ板やビニールなどでできた簡易な壁、空気の流れを制御して感染を防ぐ陰圧装置などだ。都道府県を通じて医療機関に支給する「緊急包括支援交付金」を活用する。
このほか、新型コロナの患者向けのプレハブ病棟を病院敷地内に設置した場合の建設費や、病室の備品を整備するための費用も交付金で全額補助する。
このほか、回復した患者を受け入れる医療機関への診療報酬を手厚くして、重症者向けの病床の使用率を下げる試みも始めた。
読売新聞より転用
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