バイデン次期政権、中米2カ国出身者の強制送還猶予検討=関係筋
- 国際
- 2020年12月22日
[ワシントン 21日 ロイター] – バイデン次期米大統領の政権移行チームは、中米のホンジュラスとグアテマラが11月にハリケーンの被害を受けたことを踏まえ、両国からの入国者の強制送還を猶予する措置を検討している。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。
政権移行チームは、両国からの入国者に「一時保護資格(TPS)」を認めるかどうかを検討。TPSは、入国者の母国が自然災害や武力闘争などに見舞われて安全に帰国できない場合、合法的に米国内に在留して働くことができるようにする制度だ。TPSは6カ月から1年半にわたって適用され、更新することができる。
TPSは不法移民と合法移民の双方を対象としている。ただ犯罪歴のある入国者や、安全保障上の脅威になると考えられる場合には適用されない。
関係者は、バイデン氏が来年1月20日に大統領に就任して正式に検証する人員が配置されるまでは、決定はされない見通しだと強調した。
政権移行チームの広報担当者はコメントを拒否した。
TPSを巡る政権移行チームの協議は、トランプ政権からの大きな方向転換を示している。トランプ大統領はTPS認定の段階的な縮小を検討していた。
ホンジュラスとグアテマラには11月に2つのハリケーンが襲来。ホンジュラス政府によると、同国では100人超が死亡、30万人余りが避難を強いられ、今なお12万5000人強が避難所で生活している。
グアテマラでもハリケーンにより数十人が死亡、道路や橋などのインフラは破壊され、広範な農地が洪水に見舞われた。
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