米、温暖化対策「世界を主導」=パリ協定復帰へ―バイデン氏
- 国際
- 2020年12月21日
【ワシントン時事】バイデン次期米大統領は19日、地元の東部デラウェア州で記者会見し、重要課題に掲げる地球温暖化対策について、国際枠組み「パリ協定」に復帰する方針を改めて示し、「再び世界を主導する」と宣言した。気候変動の危機には「新型コロナウイルス対策と同様に、結束した対応が必要だ」と国民に訴え、国を挙げて取り組む考えを表明した。
脱炭素社会を目指すバイデン氏は、化石燃料重視のトランプ政権が大幅に緩和した環境規制では「元に戻すだけでなく、新たに野心的な基準を設ける」と語り、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする公約の実現に意欲を示した。また、温暖化対策を担う高官らを紹介し、「試練を経た突破力のチーム」と強調した。
次期政権では、環境・エネルギー政策の転換を進めるため、新たなポストを設ける。ホワイトハウスで国内対策を調整する「国内気候政策局」トップに指名されたジーナ・マッカーシー元環境保護局(EPA)長官は「気候変動の脅威に打ち勝つことは生涯をかけた戦いだ」と国民に一致団結を求めた。対外交渉を率いる大統領特使も新設し、オバマ前政権で国務長官を務めたジョン・ケリー氏を充てる。
エネルギー長官に起用されるジェニファー・グランホルム元ミシガン州知事は「クリーンエネルギーは世界で最も有望な成長市場」だとして、中国などの競合国より米国が優位に立つべきだと指摘。EPA長官に就くマイケル・リーガン氏は「産業界から個人まで全面的なアプローチが必要だ」と述べ、経済成長と環境保護の両立に理解を求めた。
時事通信社
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