中国の月探査機、嫦娥5号発射 サンプルリターンなるか
- 国際
- 2020年11月24日
中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が24日午前4時半すぎ(日本時間同5時半すぎ)、南部・海南島の文昌宇宙発射場から打ち上げられた。月の土を採取して地球に持ち帰る「サンプルリターン」を目指しており、成功すれば米国と旧ソ連に続いて3カ国目、44年ぶりとなる。12月中旬の地球帰還を目指している。
嫦娥5号は、予定通りの時間に運搬ロケットに点火され、赤い炎を噴きながら宇宙に向けて上昇した。中国の宇宙当局によると、打ち上げから約36分後に探査機が予定の軌道に乗り、打ち上げは成功したという。
中国の月探査プロジェクトは2007年の「嫦娥1号」発射を皮切りに、13年には「3号」が旧ソ連以来37年ぶりに月面に着陸。地球から直接交信できない月の裏側に着陸させるため中継のための小型通信衛星を打ち上げた上、19年1月には「4号」が世界で初めて月の裏側に着陸した。
5号の任務はさらに難度が高い。月面に着陸した後、探査機がロボットアームなどで土などの試料を採取。その後、小型発射機が探査機から分離して月面から飛び立ち、上空で待機している周回機にドッキングして地球に帰還する計画だ。約2キロの土などを持ち帰る計画という。
月からのサンプルリターンは、1969年に米国の「アポロ11号」が成功し、その後は、76年に旧ソ連の「ルナ24号」が実施してから途絶えていた。(文昌=奥寺淳)
朝日新聞より転用
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