浦和が曹貴裁氏に監督打診 パワハラ退任から再起へ
- スポーツ
- 2020年11月4日
J1浦和レッズが、来季の監督候補として元湘南監督の曹貴裁氏(51)に獲得を打診していることが3日、分かった。曹氏は自身のパワハラ問題で1年間のS級ライセンス停止となったが、10月3日に資格が回復。現在は研修を兼ねて関東大学リーグ2部の流通経大でコーチを務めるなどしている。大学の舞台でも高い指導力を見せており、複数クラブが獲得に動いている。 【写真】19年10月、パワハラ問題に関する会見で謝罪する湘南曹監督
◇ 国内屈指の指導力を持つ曹氏を、浦和が来季の指揮官候補に挙げて動いている。Jリーグ関係者によれば、S級ライセンス停止が解除されたことを受けて複数クラブが興味を示す中、獲得に強い意思を示しているのが浦和だという。曹氏は過去に「力を発揮したい、という思いはある」と話すなど、慎重ながらJリーグの舞台に復帰する意欲はある。 浦和は現在リーグ暫定9位ながら、直近では6戦負けなしと調子を上げてきている。すでにJ1優勝は消滅しているものの、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場圏内にあたる3位に入る可能性を残す。クラブとしてはこの3位以内を目安とし、大槻毅監督のもとでこの目標をクリアすることを目指す。大槻体制を基本線としつつ、達成できなかった際のリスクマネジメントの面もふまえ、クラブOBでもある曹氏に接触した。 選手は高齢化が進んでおり、新体制となった場合にはチーム編成にも大きく手が加えられる可能性もある。特に若手選手の育成で高い手腕を誇る曹氏の招へいは、クラブにとって大きなプラスとなる。東京五輪世代のDF橋岡ら有望選手も所属しており、クラブの中核を担う新たな選手を育てる狙いもあるという。 曹氏はこの日、流通経大のコーチとして、チームをアミノバイタル杯優勝に導いた。同大学の中野監督は試合後「複数のクラブからオファーがきているのは事実」とし、研修で受け入れた立場から「人間性も優れている」とも話した。過去の失敗を省みて再出発した曹氏の、J復帰が近づいている。 ◆曹貴裁(チョウ・キジェ)1969年1月16日、京都市生まれ。京都・洛北高、早大を経て91年に日立製作所に入社。93年から柏、浦和、神戸でプレー、00年に川崎Fのアシスタントコーチに就任。12年から湘南監督。14年にJ2優勝。16年にJ1で17位に沈み降格も、翌17年にJ2優勝で再びJ1へ昇格。18年にルヴァン杯優勝。19年10月、自身のパワハラ問題で退任。1年間のS級ライセンス資格停止処分となり、今年10月に回復。
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