海外旅行、解禁まだ先? ビジネス往来は徐々に再開
- 政治・経済
- 2020年10月27日
政府は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い制限していた外国との往来を、少しずつ再開している。コロナ流行前のように自由に海外旅行できる日も近いのだろうか。
―今は海外旅行できないの。
外務省は国・地域ごとに危険情報を公表していて、旅行会社もこれを踏まえて海外ツアーの可否を判断している。危険情報は、十分な注意を呼び掛けるレベル1、不要不急の渡航自粛を促すレベル2、渡航中止勧告のレベル3、退避勧告のレベル4と、4段階に分かれている。もちろん個人での渡航を強制的に止めることはできないが、レベル2以上の国・地域への旅行は現実的に難しい。
―レベル2以上は何カ国あるの。
全世界が対象だ。外務省の危険情報は本来、災害や暴動など現地の治安情勢を判断するためのものだが、コロナ流行後に世界中で国境閉鎖が相次ぎ、渡航した日本人が帰国できなくなる恐れがあった。
このため、3月に全世界を一律レベル2に引き上げる異例の対応を取ったんだ。
ただ、国・地域によっては国境閉鎖などの厳しい措置は緩和されつつあり、政府は危険情報のレベル引き下げや解除も検討しているよ。
―その後は自由に海外旅行できるの。
そうとも限らない。通常の危険情報とは別に、コロナなどの感染リスクを判断基準とする「感染症危険情報」というのがある。これも4段階で、159カ国・地域にレベル3(渡航中止勧告)が出ている。政府は引き下げも視野に入れているけど、欧州での感染再拡大の状況などを踏まえ、大幅な緩和には慎重なんだ。
―仕事で外国と行き来する場合は。
感染状況が落ち着いている国・地域とは、少しずつ往来が再開されている。出張など短期滞在者が対象の「ビジネストラック」はシンガポール、韓国に続き、ベトナムとも開始で合意。駐在員など中長期滞在者が対象の「レジデンストラック」は韓国、台湾など10カ国・地域との間で始まっている。中国とも短期と中長期の両方で近く合意する見通しだ。
日本は、感染症危険情報のレベル3に指定した159カ国・地域からの入国を原則拒否している。ビジネス往来はその「例外」扱いで、少しずつ門戸を開けているんだ。日本と関係の深い30カ国程度を念頭に、滞在3日以内なら入国後2週間の待機措置を免除する制度も検討されているよ。
一言コメント
その前にオリ・パラも心配だ。
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