GoTo割引に「異変」?1万4000円→3500円に引き下げたYahoo!トラベル・じゃらん・一休、楽天トラベルは回数制限…原因は「給付金枠」か
- 企業・経済
- 2020年10月13日
大手旅行予約サイトの「Yahoo!トラベル」「じゃらん」「一休.com」はGoToトラベルでの宿泊旅行代金の割引ついて、10月10日以降の予約は一人1泊あたり3500円に制限すると同日までに発表した。
各予約サイトでの変更内容は以下の通り。なお、いずれのサイトも利用の回数制限は現在設けていない。
・Yahoo!トラベル 10月10日午前0時以降に予約 → 割引上限は一人1泊あたり最大3500円まで ・じゃらん 10月10日午前2時以降に予約→割引上限は一人1泊あたり最大3500円まで
・一休.com 10月10日午前2時30分以降に予約 → 割引上限は一人1泊あたり最大3500円まで
割引上限の変更、負担額はどうなる?
例えば、一人1泊4万円の宿泊旅行の場合で考えてみよう。
今回変更があった3サイトを利用した場合、これまでは割引の上限額「1万4000円」が国から給付され、旅行者は2万6000円の支払いで利用できた。
ところが今後は割引額の上限が3500円となるため、1泊4万円のプランでは3万6500円の支払いとなる。これまでと比較すると1万500円分割引幅が少なくなる。
楽天トラベル、利用上限「一人1回まで」
楽天トラベルも、GoToトラベルでの宿泊予約に制限事項を設けた。 9日以降、1会員あたり旅行旅行35%割引は1回(国内宿泊:1予約1部屋、国内ツアー:1予約)しか利用できない。11日現在、割引金額の上限に変更はない。
GoTo事業、制度設計に問題は……
今回、割引金額に上限を設けた各旅行サイトは「GoToトラベルクーポンを多くの方にご利用いただくため」(Yahoo!トラベル)と説明しているが、背景にはGoToトラベル事業の仕組みがあるとみられる。 GoToトラベルを取り扱う旅行代理店や旅行サイトには、GoToトラベル事務局から割引に充てる給付金の枠が割り当てられている。
ところが、東京が10月1日からGoToトラベルの対象に加わったことで利用者が増加。利用者が多い予約サイトでは、割り当てられた給付金の枠を使い切ってしまうおそれが出てきたと見られている。
すでにdトラベルは「給付金額の予算上限に達しましたので、販売終了」「新たに予算が給付され次第、販売を再開する予定です(11月を予定)」としている。
JR東海ツアーズも「GoToトラベル事務局から当社に割り当てられた給付金枠に達した」として、GoTo割引を利用した一部府県への旅行商品の販売を終了した。今後「給付金枠が追加された場合」には公式サイトなど伝えるとしている。
GoToトラベルの事業予算は約1兆3500億円だが、GoToトラベル事務局の報告(10月6日)によると9月15日時点での宿泊旅行者は約1689万人、割引金額では735億円の予算消化にとどまっている。
赤羽一嘉国交相は10月9日の記者会見で、来年1月末までとされるGoToトラベル事業の期間について、予算の執行状況次第で延長する可能性を示唆した。今後は必要な予算が、必要な時期に、必要なところにまわっているのか。事業をめぐる制度設計の検証も必要になりそうだ。
一言コメント
また、ややこしいことになってきた。
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