「空気変わった」都民対象プランも続々 GoTo東京追加「コロナ対策徹底して…」
- 政治・経済
- 2020年10月2日
政府の観光支援事業「Go Toトラベル」の対象に1日、東京発着旅行が追加された。「都民限定」の追加サービスを始めるホテルもあり、新型コロナウイルスで落ち込んだ旅行需要の回復に期待が高まる。一方、旅行者が増えて感染が拡大する懸念もあり、専門家からは警戒の声が上がる。
◇旅行代理店「昨年の5割程度まで」
「世間の空気が変わった気がします」。旅行代理店「日本旅行」の担当者は語る。
東京発着の旅行の予約が始まった9月18日以降、各地の店頭には旅行の申し込み客が急増。今夏以降、旅行予約は前年比3割程度で足踏みしていたが、担当者は「この日を境に急増し、体感では昨年の5割程度まで戻ってきている」と手応えを感じている。中でも人気なのは、首都圏などから京都や大阪に向かうJRチケット付きのプランだ。
「Go Toが始まった7月は世間も『まだ旅行は早い』という受け止め方が多かったが、今回は違う。近場を観光するだけでなく、遠隔地に向かう商品の人気も高まってきた」と強調する。懸念するのは、冬にかけて感染が拡大し、旅行の需要が一気にしぼむことだ。担当者は「ホテルなどと協力して、コロナ対策を徹底したい」と話す。
「Go To」に東京が追加されたことを受け、都民を対象にさまざまな特典をつける施設も増えている。
大阪市の「ホテルニューオータニ大阪」は1日以降、東京からの宿泊客を対象にホテル内のレストランの食費やフィットネスルームの利用料などについて1万円分をサービスするプランを始めた。館内で食事などを楽しんでもらい、観光地に出向くことに不安を感じる客を呼び込むことが狙いだ。
先月18日から予約を受け付けると、今月1日時点で予想をはるかに超える400件の申し込みがあった。担当者は「海外の観光客などを除けば、コロナ拡大前は大半が東京の客だった。これを機に一層利用が伸びるとうれしい」と話す。
沖縄県石垣市のホテル「THIRD石垣島」は都民を対象に宿泊料が安くなるプランを売り出す。宿泊料の最大35%が補助対象となる「Go To」と併用すれば、半額で泊まれるという。当初は3泊以上の利用者限定で始めたが、多くの人に利用してもらおうと「2泊以上」に改めた。
このホテルは本来、4月末の開業を予定していたが、新型コロナの感染拡大を受けて7月末に延期。オープン後も利用者数が伸び悩み、石垣島観光者の3割を占めるとされる都民の旅行再開を心待ちにしていた。
1日には早速、東京から5組の観光客が訪れた。担当者は「地元住民に不安を与えないよう気をつけつつ、観光を盛り上げていきたい」と話した。
◇専門家「厳重な警戒必要」
ただ、東京都内の新型コロナの感染者数は高止まりの状態で、都が1日に開いた感染状況などを分析するモニタリング(監視)会議でも「厳重な警戒が必要」との指摘が出た。今月下旬以降、都民が都内を観光するプランは「Go To」に上乗せして助成される都事業も始まる。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長はモニタリング会議で「経済活動が活発化し、感染拡大のリスクを高める機会は増え、新規陽性者数の増加が加速することが懸念される」と話した。
一言コメント
地方にもどっと来るのだろうか?
コメントする