代表7選、じわり世代交代 将来の不透明感拭えず 公明
- 政治・経済
- 2020年9月28日

公明党大会で両手を上げる7選を承認された山口那津男代表(左)と幹事長に就任した石井啓一氏=27日午後、東京都千代田区
公明党大会で7選された山口那津男代表は、石井啓一幹事長代行を幹事長に起用するなど執行部を刷新した。
「ポスト山口」時代をにらみ、懸案の世代交代に着手した形だ。ただ、異例の山口氏7選が映す党の人材難は変わらない。くしくも時を同じくして自民党総裁に就いた菅義偉首相の考えも、衆院解散の時期を中心に読み切れておらず、将来の不透明感は拭えていない。
「石井幹事長、竹内譲政調会長をはじめ、新役員と力を合わせ、闘い抜いていく決意だ」。山口氏は27日、党大会での7選を受けて演説し、新体制をアピールした。
石井氏は当選9回の62歳。党政調会長や国土交通相を歴任し、議員の任期中に69歳を超えないとする党の内規にも触れない。党内では石井氏は山口氏の後継との見方が強い。山口氏は政調会長も交代させ、自らの代表任期中に「若返り」を急ぐ姿勢をにじませた。
ただ、次期衆院選では太田昭宏前代表や井上義久副代表ら党の屋台骨を支えてきたベテランが軒並み引退する見通し。後を継ぐ石井氏らの力量は未知数で、党内からは「政権内で埋没しないか」との声が漏れる。
一方、党大会には就任間もない首相が来賓として参加。首相が「私は公明党の政治に心から拍手を送る者の一人だ」と緊密な協力を約束すると、会場から大きな拍手が起こった。 公明党内には、官房長官時代から同党とのパイプとなってきた首相を歓迎する空気が強い。集団的自衛権の行使容認などを推し進めた安倍晋三前首相と比べ、タカ派的な政策への関心が薄いとの期待がある。
しかし、同党も首相の出方を楽観できるわけではない。警戒しているのが党勢回復を左右する衆院解散の行方。現状では新型コロナウイルスが収束しておらず、支持母体・創価学会の選挙準備が十分とは言えないからだ。
首相がコロナ対策優先の姿勢を示したことを受け、党内では「解散は年末年始だろう」「年内はない」などの見方が交錯する。ただ、確たる情報はなく、候補擁立を加速させるしかない。党大会で新人候補をお披露目したのもそのためだ。
次期衆院選の比例代表で700万票の大台回復を果たせるかも見通せない。山口氏は締めくくりのあいさつで「結束して党の基盤を盤石にしていく」と誓ったが、党内からは「これから本当に大丈夫なのか」(幹部)と不安の声も漏れている。
一言コメント
次の代表も育てないとね。
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