米、新たな対イラン独自制裁を発表…ベネズエラ大統領も対象に
- 国際
- 2020年9月22日
【ワシントン=横堀裕也、テヘラン=水野翔太】米国のポンペオ国務長官は21日の記者会見で、トランプ大統領が出した新たな大統領令に基づき、イランに対する新たな独自制裁を発表した。イランとの武器取引に関わっていたとして、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領らを制裁対象に指定したほか、イラン国防軍需省も制裁対象とした。
トランプ政権は19日、イラン核合意に絡む国連安全保障理事会決議で定められた制裁復活手続きに基づき、対イラン武器禁輸措置を含むイランへの国連制裁が「復活」したと宣言し、「制裁の履行義務を順守しない国に対しては、米国が関係当局を使ってその結果を負わせる」と警告していた。
ポンペオ氏は記者会見で、「誰であろうと、対イラン武器禁輸措置に反すれば制裁対象になる。今日の発表は、世界中に対する警告だ」と改めて強調した。
一方、イランのハッサン・ロハニ大統領は20日の閣議で、国連の対イラン制裁復活を一方的に宣言した米国に同調する主要国はないと指摘し、「米国は『最大の孤立』に陥っている」と訴えた。
国連安保理の理事国の大半は、イラン核合意から離脱した米国には、国連制裁復活の手続きを求める権利はないとの立場だ。10月中旬には、安保理決議で2015年に5年延長された対イラン武器禁輸措置の期限を迎える。イランとの武器取引に関する米国の独自制裁について、ロハニ師は「(安保理決議に)違反する」と反発していた。
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溝は深まるばかりだ。
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