「面倒臭すぎ」1人5000円分のバラマキなのに低調なマイナポイント、デジタル後進国の象徴?
- 政治・経済
- 2020年9月21日

マイナポイント新聞広告(https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/doc/mynapoint_NP15d.pdf)より
キャッシュレス決済サービスを使って買い物をすれば、最大5000円分のポイントが還元される国のマイナポイント事業が奮いません。
9月16 日現在、キャッシュレス事業者を選んで申請した人は558万2273人と、国が上限とする4000万人には遠い数字です。申請が進まない最大の要因とみられるのが手続きの複雑さです。マイナンバーカードを取得するところから始まり、専用アプリのダウンロード、ポイント付与の申し込みといった乗り越えなければならないいくつものハードルがあります。
安倍政権から、菅政権になり、さらにデジタル対応に取り組むことの重要性が強調されていますが、いくらポイントのバラマキをしたところで、国民がシステムを使いこなし、利便性を実感できるものを提供できないと、かけ声倒れに終わってしまう可能性があります。(ライター・国分瑠衣子)
●マイナンバーカードがあれば、未成年でも申し込み可能 マイナポイント事業は、クレジットカードや電子マネー、交通系ICカード、QRコード決済、デビットカードといったキャッシュレス決済でチャージや買い物をすれば、最大25%5000円分のポイントがもらえるものです。例えば2万円分のチャージをすると、5000円分のポイントが付きます。消費の下支えと、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及が目的です。
ポイントが付与される期間は9月1日から2021年3月までの7カ月間。全てのキャッシュレス決済サービスが使えるわけではなく、総務省のマイナポイント特設ページに掲載されている事業者が対象です。独自のポイントを上乗せするキャッシュレス決済サービスもあります。国はポイントの原資として約2000億円を計上しました。1人最大5000円分のポイントが付与されると考えると、先着約4000万人がポイントをもらえる計算です。
マイナポイント還元の恩恵を受けるには、マイナンバーカードを持っていることが大前提になります。未成年者でもマイナンバーカードを持っていれば、親の名義のキャッシュレス決済サービスで申し込むことができます。
●「とても申請する気にならない」「まだ手元に届かない」など様々な声 筆者の周囲で、マイナポイントについて聞いてみたところ、東京都内の40代のパート女性は「マイナンバーカードは写真を撮ることがハードルになっていて申請していません。そもそもマイナポイント自体知りませんでした。子どもも還元対象になるなら申し込んでみようかなとも思いますが、まずはマイナポイントとは何か、というところから調べなければ…」と話します。
男性会社員は「マイナンバーカードの申請やその後の手続きが面倒で、5000円ではとても申請する気にならない。1万円なら申し込んだかも」と、5000円では面倒くさいという意見です。 マイナンバーカードを申請したものの届かないという人も。美容師の女性は「1カ月前に夫が申請したが、まだ手元に届かない。間に合うのか」と気をもみます。
一方、子どもも含め家族4人で、既に還元ポイントを手に入れたという人もいます。小学2年生と4歳の子どもがいる会社員の女性は「数年前の育休中に家族全員分のマイナンバーカードを取得していたので、すぐに申し込みました。夫はどのキャッシュレス決済事業者が一番得になるのかを細かく調べていました。ポイントはスーパーでの買い物と週末の外食に使います」と話します。
●総務省「上限とする4000万人にはまだ遠い」 総務省によると、実際にマイナポイント付与が始まる直前の8月30日時点では、約377万人がマイナポイント事業の「予約」を済ませていました。国は、決済事業者と紐づけるための「マイキーIDの発行と設定」を済ませることを「予約」としています。 9月15日現在で、予約した人は約634万人に増え、このうち既にキャッシュレス決済事業者を選んだ人は約558万人になりました。総務省の担当者は「約2週間で予約が250万人増えた点では注目されていると考えますが、上限とする4000万人にはまだ遠い。この数字が多いのか少ないのかはなんとも言えないですね」と話します。
ちなみに9月15日現在、マイナンバーカードの交付枚数は約2537万枚で、交付待ちの人は約400万人です。マイナンバーカードを持っている人のうち、約25%の人がマイナポイントに予約しているということになります。
●年内にカードが手に届けば、ポイント還元は間に合う 面倒くさいと言われるマイナンバーカード取得とマイナポイントの申し込みですが、どのような手順で進めればよいのでしょうか。
まずマイナンバーカードとは何かですが、ICチップと顔写真付きのプラスチック製のカードで、公的な身分証として使えます。カードがあればコンビニのマルチコピー機で住民票の写しなどを取得したり、e-Taxで確定申告ができます。2021年3月からはマイナンバーカードを保険証代わりに使えるようになり、国は今回のマイナポイント事業でカードの所有者を一気に増やす狙いです。
マイナンバーカードは、住民登録している自治体に申請し無料で取得できます。もし2015年秋から2016年にかけて郵送で届いた紙の「通知カード」と「マイナンバーカードの交付申請書」を持っていれば、スマートフォンやパソコン、郵送でも申請できます。「写真はスマホで撮影したものでも大丈夫です」(総務省)。
通知カードが届いたのは5年も前のことなので、家の中のどこにあるか分からないという人も多いと思います。通知カードがなくても、運転免許証やパスポートなどの身分証明書を持って自治体の窓口に行けばマイナンバーカードを申請できます。自治体によっては窓口が混雑したり、マイナンバーカードの交付に1カ月以上かかるところも出ていますが、総務省の担当者は「年内にカードが手元に届き、ポイントの手続きを取れば間に合うと考えています」と説明します。
カードが手元に届いたら、ようやくマイナポイントの申し込みができます。スマートフォンの場合は「マイナポイントアプリ」をダウンロードし、カードを読み取ります。この時にマイナンバーカードの申請の時に設定した4桁の暗証番号が必要になります。
マイナポイントの予約が完了すると「マイキーID」が生成されます。分かりにくいですがマイキーIDは、マイナポイントを使う時に決済事業者と紐づけるために必要になります。このマイキーIDができてようやく、決済事業者を選べるという流れです。
インターネット上では、スマートフォンでマイナンバーカードを読み取る作業に時間がかかったという人の声もあります。取材をした人の中にも「カードが読み取れずあきらめかけた。4回目にようやくできた」という人がいました。マイナンバーカードは持っているが、スマートフォンやパソコンの操作に自信がないという人は、自治体の窓口、郵便局や携帯電話ショップ、ショッピングセンターなど全国約9万カ所に設置された端末で、マイナポイントの予約と申し込みができます。
総務省の担当者は「今後も店頭やインターネット上などでマイナポイントを周知していきます」と話します。「お得だけど、面倒くさい」。このハードルを越えることができるでしょうか。
一言コメント
閣僚はみんな申し込んだのかな?
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