ベネチア銀獅子賞の黒沢清監督「こんなに喜ばしいプレゼントを頂けるとは」
- 政治・経済
- 2020年9月13日
東京・汐留のホールから、オンラインで、ベネチア国際映画祭の記者会見に参加した、映画「スパイの妻」の黒沢清監督
【ベネチア(イタリア北部)=笹子美奈子】イタリア北部ベネチアで12日夜(日本時間13日未明)、第77回ベネチア国際映画祭の授賞式が行われ、黒沢清監督(65)が「スパイの妻」で、コンペティション部門の監督賞(銀獅子賞)を受賞した。日本人の同賞受賞は、2003年の北野武監督(「座頭市」)以来。
「スパイの妻」は、太平洋戦争前夜の神戸などを舞台に、スパイと疑われる夫と、支えていく妻の愛を描いた物語。蒼井優さん(35)と高橋一生さん(39)が夫婦を演じている。
黒沢監督の作品が、ベネチア国際映画祭に出品されるのは4度目で、コンペティション部門は初めて。新型コロナウイルスの影響で現地入りできず、授賞式にも出席できなかった。
黒沢監督は兵庫県出身。立教大学時代から8ミリ映画を撮り始め、1983年にピンク映画で監督デビューした。97年公開の「CURE」が国内外で注目を集めた。その後も話題作を次々と発表した。
日本を代表する映画監督の一人で、「回路」「トウキョウソナタ」「岸辺の旅」はいずれも、カンヌ国際映画祭で受賞している。全編フランス語で撮った2016年公開の「ダゲレオタイプの女」で海外初進出も果たすなど、活動の幅を広げている。
ホラー、スリラーなど恐怖映画の名匠として知られているが、近作では恋愛の要素のある映画を数々手がけ、本作では初めて歴史ドラマに挑戦した。
黒沢監督は授賞式に出席できなかったが、映像でメッセージを寄せ、「大変驚いています。言葉では言い尽くせない喜びを感じています。長い間、映画に携わってきましたが、この年齢になって、こんなに喜ばしいプレゼントを頂けるとは、夢にも思っていませんでした」と語った。
一言コメント
久々の受賞でよかった。
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