虚偽申告の福岡市議が謝罪 市議会出席「覚えてない」弁明
- 政治・経済
- 2020年9月10日
謝罪する鬼塚昌宏市議
福岡市が新型コロナウイルス感染を発表した男性市議が、市の聞き取り調査に虚偽申告をしていた問題で、この市議が9日、福岡市議会定例会に出席し公務に復帰。一連の経緯について「不徳の致すところで、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。
市議は、博多区選出の鬼塚昌宏氏(47)=自民党福岡市議団。本会議終了後、市議団の控室前で取材に応じた。
鬼塚氏は7月の感染時、クラスター(感染者集団)認定された市内の接待を伴う飲食店を訪れていたにもかかわらず、市の聞き取り調査に当初、「会食した知人が行っていたが、自分は行っていない」と訪店を否定していた。この虚偽説明について、鬼塚氏は「意識がもうろうとしていた」と釈明。体調に配慮して聞き取り調査を行っていたとする市側の見解には「(体調への配慮は)良いと思う。ただ、私は逼迫(ひっぱく)していた。大変な状況にあった」と強調した。
鬼塚氏は8月7日に市に「よく考えると(飲食店に知人と)一緒に行ったことを思い出したので修正したい」と申し出ていた。この修正については「思い違いでお伝えしていた(ので訂正した)」と語った。
鬼塚氏は陽性確定後、一部メディアで実名が報じられたことを受け市側に複数回、電話をかけていた。関係者によると、強く声をあらげる場面もあったという。このやりとりについて問われた鬼塚氏は「この1カ月、精神的にまいっている部分もある。覚えていない」と述べた。
定例会に出席した鬼塚氏は、説明を求めた記者団の問いかけに当初、一切答えなかった。最終的に取材に応じたが、「覚えていない」と繰り返した。さらに別の自民市議が切り上げるよう促し、開始から約4分後に控室に入っていった。
産経新聞は8月6日、電話取材で鬼塚氏に訪店歴を確認。その際に訪店を認めた上で、別途電子メールに「退院して然るべき時にお答えしたいと思います」と返信があった。この日は、鬼塚氏が説明責任を十分に果たせたか、最終的な判断は有権者が下すことになるだろう。
一言コメント
次の選挙にも注目だ。
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