台風10号 九州で猛威 4人行方不明 68人けが 福岡・糸島市では神社倒壊も
- 政治・経済
- 2020年9月8日
テレビ西日本
戦後最悪の被害をもたらした伊勢湾台風に匹敵するとして、最大級の警戒が呼びかけられた台風10号。
九州全域を暴風域に巻き込んだ台風の影響で、4人が行方不明、70人近くが負傷したほか、建物への被害も相次ぎました。
◆記者
「福岡市早良区百道浜です。午前4時を過ぎたところですが、非常に強い風が吹いており、足下を強く踏ん張っていないと立っていることができません」
◆記者
「午前5時半過ぎの福岡市天神です。風が一段と強まってきました。街路樹は揺れ雨はまさに横殴りの状況です」
◆記者
「境内にある樹齢200年のケヤキが根っこから倒れました。本殿は特に屋根の部分が大きく崩れています」 糸島市内の神社では高さ30メートルのケヤキの大木が倒れ、本殿が倒壊する被害がでました。
◆近くの住民
「ここはよか神様よ」 「はよどうかしてもらわないかんね、みんなで早く元のように参りに来られるように」
◆記者
「こちらの建物の屋根が剥がれています。そしてその剥がれた屋根の一部分が落ちて道路にかかっています」
壁が剥がれた建物もー
◆住人
「ドーンという音だったから、まさかウチとは思わなかったです」 「Q台風9号と違った?」 「全然違いますよ」 「あのときも怖かったですけど、風の音が違いましたね」
◆記者
「久留米市田主丸町のブドウ園に来ています。あたり一面に散らばっている白い袋は、全てブドウです。これらのブドウは今月に入って収穫を始めたばかりでした」
◆ブドウ園オーナー
「3000房、そのくらいは落ちている、全体で」 「こればっかりは自然に逆らえんからですね、怖いですね、台風というのは」
◆福岡管区気象台(9月5日会見)
「これまでに経験したことの無いような暴風・高波・高潮となる恐れがあります」 最大瞬間風速85メートルが予想されるなど、特別警報級の勢力を保って北上し、最大級の警戒が呼びかけられた台風10号。
福岡県だけでなく各地で猛威をふるいました。
鹿児島県内では強風にあおられて街灯が傾いたり、公園の木が根元からなぎ倒されたりする被害が相次ぎました。
さらにー。
◆記者
「空き家と言うことですが、住宅が道路にまではみ出て大きく崩れ落ちています」 枕崎市では海沿いに建つ空き家が倒壊。
吹き荒れた風の威力を見せつけられました。
◆近隣住民
「こんなになるねーとは思っていたけどね」 「4、5年そのままほったらかしだった」 「これが飛んで二次災害にならなきゃいいなと思って」
7月に豪雨被害を受けた熊本でもー。
◆記者
「人吉市です。一気に風が強くなってきました。また雨粒も段々大きくなってきまして、風にあおられて横殴りの雨に変わってきています」
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「3密」を防ぐために受け入れ数を制限する避難所もありました。
◆避難者
「人がいっぱいで寝られる状態ではない」 「こっちはもう完全に密・密」
新型コロナの収束が見えない中、豪雨に続いて見舞った台風10号。
多くの住人が不安な夜を明かしました。
一方、長崎県では7日午前1時過ぎ、住民が身を寄せた避難所の窓ガラスが割れ、近くにいた4人が手や足を切る軽傷を負いました。
◆避難者
「バリンバリン音がしてからやっぱり怖かったですね」 「血が出てみんな心配していた」 そのころ外では台風の接近に伴って暴風が吹き荒れていました。
◆記者
「午前1時過ぎの長崎市中心部です。立っているのもやっとなほどの風が吹いています。そして歩道脇の木は折れてしまったのでしょうか、木の先が見えません」
長崎県内では8つの地点で観測史上最大の風を観測し、長崎市の南端の野母崎では、最大瞬間風速が60メートル近くに達しました。
コンビニの看板は剥がれ、自販機も倒れてしまっています。
このほか市内では、2階建て住宅の屋根がおよそ30メートル先に吹き飛ばされる被害も出ています。
電線の切断などによる停電も相次ぎました。
その数は九州電力の管内で、最大およそ47万6000戸に及び、一部の地域では現在も復旧作業が続いています。
◆記者
「日南市です。先ほどから停電を繰り返しています」
◆記者
「満潮の時刻を迎えた宮崎市です。防波堤のかなり近いところまで波が迫っていて、時折風にあおられた波が超えてきているような状況です。そしてゴーと響く風の音、波の音で、恐怖を感じます」
宮崎県は台風に伴う大雨にも見舞われ、北西部の山間にある椎葉村では崖崩れが発生しました。
◆記者
「山の斜面が大規模に崩れています。建物があったとみられる場所には大量の倒木が押し寄せ、建物は原型をとどめていません」 住宅1棟と建設会社の事務所が土砂に巻き込まれ、男女4人と連絡がとれていないということです。
このほか台風10号の影響で、福岡県で12人、鹿児島県で10人など九州各県を中心に50人以上がケガをしています。
九州各地に爪痕を残した台風10号は朝鮮半島の東岸を北上していて、8日には大陸で温帯低気圧に変わる見込みです。
一言コメント
近年まれにみる風台風だった。
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