「命守る判断」「残した家族は…」 台風10号 十島・三島村 初の集団島外避難
- 政治・経済
- 2020年9月5日

村営フェリーからホテルの送迎バスに乗り継ぐ三島村の住民=鹿児島市本港新町
特別警報級の台風10号の接近に伴い初めてとなる本土への集団避難を4日、実施した十島、三島両村。自衛隊ヘリや村営フェリーで避難先の鹿児島市に到着した住民らはホッとした表情を見せつつ、残してきた家族や家屋を気にかけていた。
十島住民は自衛隊ヘリで鹿児島市のマリンポートかごしまに次々と到着。住民は安堵(あんど)した様子で降り立ち、村が手配したバスで市内のホテルなどに向かった。
口之島の森崎マツヨさん(70)は「経験のない規模の台風なので、不安な日々を過ごしていた。人命のために役場が素早く動いてくれてありがたい」。平島簡易郵便局長の用澤優香さん(37)は消防団員の夫を島に残し、2歳と0歳の子ども2人と避難した。「島の医療体制は十分でないので、残った人が台風でけがをしないか心配だ」と気遣った。
三島村から鹿児島港本港区南ふ頭に到着した村営フェリーからは、キャリーケースや大きなバッグを手にタラップを降りた住民らが、迎えに来た親戚や役場職員らと笑顔であいさつを交わした。
黒島・片泊地区の畜産業、糸繰小春さん(34)はしおかぜ留学生2人を含めた子ども6人とともに避難した。消防団員の夫は残ったという。「片泊で大きな被害が出た5年前の台風以上の規模と聞いて、子どもたちの安全のために決めた。自己負担なく宿泊できるのはありがたい」と述べた。
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できることはやったほうがいい。
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