後任選び、スピード重視 党員投票見送りに異論 自民総裁選
- 政治・経済
- 2020年8月30日
安倍晋三首相の後任を選ぶ自民党総裁選について、執行部は党員投票を伴わない両院議員総会で実施する方向だ。
新型コロナウイルス渦中のため政治空白期間を短縮する必要があるとの理由だ。ただ、党内からは広く党員も全員参加して選ぶべきだとの声が上がっている。
党則は、総裁が任期中に欠け緊急を要するときは両院総会で後任を選べると定める。この場合、有権者は党所属国会議員と都道府県連代表各3人で、100万人を超える一般党員は対象外だ。
過去には2007年に安倍氏、08年に福田康夫首相(当時)がそれぞれ辞任した際にこの規定を適用。告示から10日程度で両院総会を行った。国会議員票と党員票を同数で扱う通常形式より議員票の比重が格段に重くなり、「派閥の論理」が色濃く反映される。
総裁選の形式を一任されている二階俊博幹事長は28日、「時間が十分あれば党員投票は考えるべきだが、そこに至るかどうか」と述べ、慎重姿勢を示した。下村博文選対委員長は29日、都道府県連が党員への調査をしているとして「党員の意向を含めた選挙はできる」と強調した。
二階氏周辺も「コロナがあるので大規模な総裁選はできない」と指摘する。執行部が簡易な形式を選ぶ背景には、出馬を目指す石破茂元幹事長が全国的に根強い人気を保っているため、石破氏が有利な状況になるのは極力避けたいとの思惑もあるようだ。
これに対し石破氏は、日本テレビ番組で「国会を今やっているわけではなく、首相は次が決まるまでやると言っている」と語り、党員投票は可能と主張した。
執行部への異論は石破氏だけでなく、若手からベテランまで広がっている。小泉進次郎環境相は28日、党員投票を提唱。小林史明青年局長もブログで「党員投票は郵便。コロナ禍でも密を避けながら意思表示は可能だ」と指摘した。青年局長経験者は連名で党員投票実施を求める署名活動を始めた。ベテラン議員は「次の衆院選で勝つには党員投票で有権者に人気のある人を選ぶべきだ」と訴える。
一言コメント
早くも党が割れてきた!?
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