趣旨めぐり全面対決 地元県議らへの現金配布 前法相夫妻、25日初公判・東京地裁
- 政治・経済
- 2020年8月24日
昨夏参院選をめぐり、地元首長や県議らに現金を配布したなどとして公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた衆院議員で前法相、河井克行被告(57)=自民離党=と妻の参院議員、案里被告(46)=同=の初公判が25日、東京地裁(高橋康明裁判長)である。
法相経験者で戦後初めて起訴された克行被告側は全面的に争う方針で、判決は年明け以降になる見通し。
関係者によると、克行被告は捜査段階で現金配布を大筋で認める一方、「地盤固めの政治活動」「不正な行為は一切していない」などと主張。案里被告も「違法なことをした覚えはない」と否認した。法廷でも現金の趣旨や違法性の認識をめぐる攻防が続くとみられるが、買収対象とされる県議らが「不問」とされたことも大きな争点になりそうだ。
買収は現金を受け取った側も処罰対象だ。しかし検察当局は、首長や県議ら買収対象者100人の刑事処分を見送った。県議らが現金受領を認めて謝罪、辞職したことなどを踏まえた対応とされるが、国会議員の元公設秘書で300万円を受領したとされた男性も刑事責任を問われていない。
弁護側は「検察に有利な供述を引き出すために処分を見送った『違法な司法取引』が行われた可能性がある」との疑念を抱いている。過去の買収事件では5万円を受領し罰金の略式命令を受けた元町議もいる。アンバランスさを指摘する声は元検事からも上がっており、弁護側は裁判の打ち切りを求める方針だ。
夫妻が起訴されたのは7月8日。「百日裁判」の規定では10月中の判決が求められるが、地裁は12月18日まで計55回の期日を指定した。克行被告が案里被告の選挙を取り仕切った「総括主宰者」に該当するか否かも争いになり、買収対象者100人に加えて案里被告の陣営スタッフも証人となる見通しで、関係者は「年内いっぱい証人尋問が続く」とみる。
新型コロナウイルスの感染対策などのため、広島地裁と映像を結ぶビデオリンク形式での尋問も検討されている。
一言コメント
やっぱり全面対決か…
コメントする