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7月の企業倒産 847件、前月上回り今年最多を更新


倒産件数は今年最多 製造・サービスが大幅に増加、小売も高水準に

倒産件数・負債総額

 2020年7月の倒産件数(847件、前年同月比8.2%増)は、2カ月連続で前年同月および前月比で増加し今年最多を更新。7月としては6年ぶりに800件を上回った。業種別では、繊維製品や食料品をはじめとした製造業(105件、前年同月比34.6%増)が9カ月ぶりに100件を上回った。また、サービス業(210件、同30.4%増)が2カ月連続で200件超。自動車販売、飲食店を含む小売業(205件、同1.4%減)は12カ月ぶりに200件超となり件数全体を押し上げた。

負債総額は、1048億100万円と前年同月を14.3%上回り、2カ月連続の前年同月比増加となった。負債上位をみると、厨房機器卸の(株)AIKジャパンコーポレーション(破産、東京都、負債約47億円)や自動車シート部品製造の(株)イワヰ(民事再生、愛知県、負債約47億円)は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともないそれぞれ、得意先飲食店の不振や自動車メーカーの生産調整を受け売り上げが低迷していた。また、コロナ禍の行動自粛が経営不振に追い打ちをかけた医療機関や第三セクターの倒産が初めて発生した。

飲食店の倒産が過去最多ペース

業種別倒産動向

 7月の飲食店の倒産は80件(前年同月比3.9%増)で、2020年1月~7月の累計は478件となった。飲食店の倒産が年間で過去最多となる732件を記録した2019年の1月~7月累計(427件)を1割以上、上回るペースで推移している。負債5000万円未満の小規模倒産が7割超を占めたが、ショッピングセンター内でのFC展開強化など近時の店舗増設にあたり金融機関から多額の借入金を導入していた企業が、コロナ禍の急激な客足減少で資金繰りが悪化して行き詰る事例も複数あり、倒産件数を押し上げた。

新型コロナ感染者の急増を受けて東京都は8月に入り、酒を提供する飲食店などに対して営業時間短縮を要請。大阪府をはじめ各地にその動きは広がっており、消費者の巣ごもりが加速すると、飲食店の倒産は高止まりする可能性が高い。

コロナ禍の影響は幅広い業種へ、経済活動の停滞が懸念

地域別倒産動向

 新型コロナウイルスの影響で売り上げの大幅な減少などを強いられている中小企業や個人事業主などへの資金繰り支援を目的とした「家賃支援給付金」の給付が8月4日から始まった。8月3日までに約289万件実行(経済産業省)された「持続化給付金」とともに、中小企業などの急場の資金繰りを支える。また、金融機関は返済猶予等の条件変更への対応や実質無利子・無担保の新型コロナ対応融資も実施し、中小企業などの経営を支援している。

 他方、新型コロナ感染者数が再び増加に向かうなかで人々の消費マインドは低下。業種によっては業績回復に水を差しかねず、影響が危惧されている。観光関連業界の需要を喚起するGo Toトラベル事業が政府主導で7月22日にスタートしたものの、東京都発着が除外されているうえ、自粛ムードが再び広まると想定通りの経済効果が発揮されない公算が高い。夏季の季節需要を見込む業界の売り上げや資金繰りの下振れリスクにも注意が必要である。さらに、7月の豪雨による直接被害や天候不順を背景とした農作物の価格高騰も懸念材料となろう。

倒産件数は6年ぶりに2カ月連続の800件超を記録し、1月から7月の累計件数(4790件)は前年同期(4781件)を上回るなど増加トレンドがうかがわれる。コロナ禍に起因する倒産について、消費者に近い小売・サービス業などに加え、製造業といった業種へも広まりつつある。経済活動が再び急激に停滞した場合、多額の借入金などをかかえ、これまでの事業モデルの継続に展望をもてない企業を中心に倒産件数は今後も増加基調を辿るものと推測される。

帝国データバンク

 

 

一言コメント
まだこれは氷山の一角!?

 


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