【甲子園】花咲徳栄が開幕試合で大分商に競り勝つ…完投の高森「やっぱり夢のような舞台でした」
- スポーツ
- 2020年8月11日

1回1死満塁、渡壁幸祐の追加点となる右前2点適時打で生還する花咲徳栄・井上朋也(右、捕手は大分商・末田龍祐、左は川瀬堅斗)(カメラ・渡辺 了文)
◆2020年甲子園高校野球交流試合第1日(10日)
▽第1試合 花咲徳栄3-1大分商
新型コロナウイルス感染拡大の影響でセンバツ大会が中止になってから、約5か月。一度は目標を失った球児たちが、甲子園に帰ってきた。ブラスバンドによる応援はなくても、ナインの声が響き渡る、また違った聖地の姿があった。注目の第1試合。期待通りの熱戦が繰り広げられた。
初回の攻防。まず、花咲徳栄(埼玉)の先発・高森が切れのある真っ直ぐで3者三振の完璧な立ち上がりを見せた。一方、大分商(大分)のプロ注目右腕・川瀬は制球に苦しんだ。味方の失策と2四球で1死満塁とし、5番・中井に押し出し死球を与えて先制。続く渡壁には右前への2点適時打を許し、いきなり3点を奪われた。
2回からは投手戦。花咲徳栄の左腕・高森はテンポの良いピッチングで5回まで被安打2。スリークオーター気味のフォームからスライダーとチェンジアップも投げ分け、的を絞らせなかった。大分商の川瀬もリズムを取り戻した。140キロ台の直球で相手打線を押し込み、毎回安打を許しながらも追加点は与えなかった。
試合が動いたのは6回。大分商は1番・渡辺の左前安打と3番・岩崎の右前ヒットで2死一、三塁とし、相手のミスで1点を返した。なおも二、三塁と一打同点のチャンスも、三代が空振り三振。花咲徳栄が3―1とリードしたまま、終盤に入った。
強打の花咲徳栄打線は7回まで毎回安打を放ちながらも、あと1本が出ない展開が続いた。何とか追加点のほしい8回は先頭の7番・大里が四球で出塁したが、またしても得点できず。大分商のエース・川瀬が粘った。
花咲徳栄・高森は初回に奪った3点を守り切り、相手のプロ注目右腕・川瀬との投げ合いを制した。
試合後、花咲徳栄の岩井監督は「開会式から開幕戦と無事に終わることができてホッとしています。高森はピンチになっても冷静に投げてくれました」と振り返り、ナインには「このような機会を与えてくれているだけでも感謝感謝ですので、一生の思い出にしてもらい、強い人間になってもらいたいです」と語った。
完投勝利の高森は「やっぱり夢のような舞台でした。ピンチもあったんですけど、野手と助け合えたので良かったです。夢の舞台で自分のピッチングができたのでよかったと思います」と汗をぬぐった。
一言コメント
甲子園で試合ができたのはせめてもの救いだ。
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