香港で感染者が増加 病院「崩壊」を行政長官が警告
- 国際
- 2020年7月30日
香港で感染者が増加 病院「崩壊」を行政長官が警告
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は28日、新型コロナウイルスの感染者が急増している状況を受け、香港の病院制度が「崩壊」する恐れがあると警告した。
林鄭氏は、香港が「大規模な地域感染が起こる間際」にあるとし、市民に戸外に出ないよう強く求めた。 香港では29日以降、新たな規制が実施される。レストランでの飲食は禁止され、別世帯の人同士が会うのは1人ずつに制限される。
公的な場所でのマスク着用も義務化される。
香港は新型ウイルスの感染症COVID-19への初期対応に成功したが、昨今は連日のように新規感染者が100人以上確認されている。つい1カ月ほど前には、1日平均10人未満だった。 28日には106人の新規感染者が確認されたほか、23人目となる死者も報告された。その前日には、1日あたりとしては最多の145人の感染者が確認された。
今月に入って、バーやスポーツジム、美容院の閉鎖を命じるなど、当局は規制を強めている。
今月上旬には50人までの集会は認められていたが、その後4人に縮小され、今回2人となった。
香港大学の金冬雁教授は、感染者の増加は「香港の境界管理の欠陥」によるものだと、中国国営の英字紙・環球時報(グローバルタイムズ)に語った。
「海外から来た患者が新型ウイルスを地域に持ち込み、現在の伝染が発生したのではないか」 新型ウイルスによる直近の死者は、45人以上の感染が確認された介護施設の入居者だった。
香港の科学者らは、現在流行している新型ウイルスの種類は22日間以上変異していないとし、ヒトの間で容易に伝染できるように順応した恐れがあるとしている。
■議会選挙を延期か
地元メディアは、9月6日に予定されている香港の立法会(議会)の議員選挙について、来年に延期される可能性があると報じている。
HK01、香港経済日報、TVBなどのニュースメディアは、香港政府は延期を決定したと伝えた。ただ、新型ウイルスをめぐる懸念から、正式な発表はまだない。
反政府の立場を取る人々は、政府による延期について、香港国家安全維持法に対する怒りが弱まるのを待つ狙いがあるとの見方を示している。
(英語記事 HK hospitals face ‘collapse’ as outbreak grows)
一言コメント
香港も危機的な状況のようだ。
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