84河川100カ所氾濫 再び大雨、被災地厳戒 九州で死者62人
- 事件・事故
- 2020年7月10日
雨が強まる中、災害ごみを出す人たち。芦北町は災害廃棄物仮置き場がいっぱいになり、一時的に受け入れを停止している=9日午後、熊本県同町
梅雨前線の影響で豪雨に見舞われた九州を中心に、84河川の100カ所で氾濫が確認されたことが9日、国土交通省のまとめで分かった。
排水施設の故障も相次いで発生。梅雨前線の北上で再び大雨になる見込みで、被災地は警戒を強めた。
国交省によると、9日午前11時までに堤防が決壊したり、水があふれたりして氾濫が確認されたのは九州全県と長野、岐阜、愛媛各県の84河川。球磨川(熊本県)の流域では、配電設備や電源装置など排水施設の故障が多数判明した。
決壊した箇所では仮堤防を設置するなど一部で緊急工事が完了したが、全面復旧までは時間がかかる見通し。福岡や熊本、大分などでは浸水被害について調査中の地域も多く、全体像を把握できていない。
土砂崩れは23県で179件発生。熊本48件、鹿児島36件、長崎12件など九州で多発している。
熊本県で新たに4人、大分県で1人の死亡が確認され、九州の死者は62人となった。同県球磨村や八代市、大分県由布市などで計16人が行方不明となっており、警察や消防、自衛隊は二次災害を警戒しながら捜索を続けた。
総務省消防庁によると、9日正午時点で4746棟の浸水被害が判明。道路の寸断などにより、熊本や岐阜など5県で計3164世帯が孤立状態となった。
◇九州豪雨で亡くなった方々
熊本を中心とした九州豪雨で亡くなり、新たに身元が確認された方々は次の通り(敬称略)。
【熊本県人吉市】永尾誠(88)▽國本一(80)▽國本洋子(79)▽川上博久(67)▽倉岡アヤ子(92)▽平川和美(50)▽中濱夘一郎(83)▽坂本千津子(70)
【同県芦北町】矢野まさ子(67)
【同県球磨村】地下末行(91)▽日當タツエ(82)▽西康彦(85)▽井上カズ子(85)▽淋サナエ(84)▽日隠行人(84)▽大岩ユウコ(83)▽山本眞澄(94)▽大岩ヒサエ(99)▽寺床美與子(88)▽横井ハマヨ(98)▽大岩江美子(84)▽蔀安雄(80)▽渕田勝子(93)=以上、千寿園の入居者=▽山口秋人(65)▽淋一明(51)▽川口豊美(73)
【同県八代市】塩崎つぼみ(68)
【同県山鹿市】松本成行(88)▽松本セツ子(87)
【大分県由布市】渡邊登志美(81)。
一言コメント
犠牲者のほとんどが高齢者だ。
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