新型コロナの都知事選、結局“どぶ板” 「高齢者に」「直接話を」…街頭大半
- 政治・経済
- 2020年6月22日
東京都知事選の街頭演説会に集まった多くの人たち=東京都中野区の中野駅前で2020年6月21日午後1時13分、丸山博撮影
東京都知事選(7月5日投開票)は21日、告示後初の日曜を迎え、主要5候補が各地で支持を訴えた。新型コロナウイルスの影響で、告示前はオンラインを活用した選挙がメインになるとみられたが、街頭で有権者の前に立つ候補者が大半。互いの肌感覚を大切にしたい陣営が多いようだ。
「れいわ新選組」代表の山本太郎氏(45)はこの日午前、JR立川駅前で全都民への10万円支給など新型コロナ対策を訴え、「あなたの力で世の中は動く」と数百人の聴衆を沸かせた。「密」ができないよう、告示日の18日は街頭演説の事前告知を避けたが、都道府県間の移動自粛が全面解除された19日からネットなどで一部公表。俳優の経験もあり演説による動員力は定評がある。「告知できないのは痛手だった」(陣営)という。山本氏も「『空中戦』では票になかなか結びつかない。結局は『どぶ板』的な選挙が基本」と話した。
自民、公明の実質支援を受ける現職の小池百合子氏(67)は感染拡大防止を重視した「オンライン選挙」を宣言しており、街頭には立たなかった。告示日にツイッターで「#小池ゆりこに物申す」とハッシュタグを添えて募った質問は、「前回選の公約『七つのゼロ』はどうなったのか」が一番多かったといい、自身が答える映像を20日から動画投稿サイトで配信。「満員電車ゼロ」については「ハード・ソフトの両面から取り組みを進めています」。
元日本弁護士連合会会長の宇都宮健児氏(73)は21日午後、支援を受ける立憲民主、共産、社民の野党幹部らとJR中野駅前で演説。新型コロナに伴う自粛への補償徹底などとともに「自己責任よりも社会的連帯を重視する都政を」と訴え、聴衆の拍手を浴びた。演説や市民との対談をオンラインで配信しているが、高齢者らネットへのアクセスが難しい人もいる。このため、事前告知はせず、密集を回避しながら街頭に毎日立っている。
日本維新の会推薦で元熊本県副知事、小野泰輔氏(46)は日中は街頭活動に徹し、知名度アップを図っている。21日に回ったのは、子ども時代を過ごした多摩地区。昼には、フェースシールドを着けて現れた立川駅前で「多摩地区への思いはどの候補より強い」と声を張り上げた。聴衆の間にも入り、感染防止に配慮し握手の代わりに肘でタッチを交わした。「ネットだけではなく、直接(話を)聞いていただくコミュニケーションを大切にしたい」
NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)は同日午後からJR八王子駅前で演説。「息苦しい東京にならないよう、少数派の声を守りたい」と拳を振り上げた。新型コロナの感染拡大に伴う「行き過ぎた自粛」が社会経済活動に影響を及ぼしたとしており、「僕が『密』を恐れて街頭に立たなければ、自由を認める公約と矛盾する」と説明した。演説後は「NHKをぶっ壊す」の掛け声に合わせて集まった人々との記念撮影やサインに応じた。
一言コメント
選挙でクラスター出さないでね。
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