就寝中の黒人女性射殺事件、警官免職に 「奴隷解放記念日」への支持広がる
- 国際
- 2020年6月21日
【ニューヨーク=上塚真由】米南部ケンタッキー州ルイビルのフィッシャー市長は19日、薬物捜査を行っていた白人警官が3月に無関係とされる黒人女性、ブレオナ・テーラーさん=当時(26)=を射殺した事件について、関与した警官3人のうち1人を免職処分とする方針を明らかにした。
救急救命士だったテーラーさんは3月13日夜、自宅で恋人と就寝中、薬物事件の家宅捜索で突入した警官らから、少なくとも8回撃たれて死亡した。自宅では薬物は発見されず、テーラーさん自身は捜査対象ではなかった。事件では、警官を不審な侵入者と思ったテーラーさんの恋人が先に発砲したが、米メディアによると、地元警察は、警官が「無思慮」に室内で10回発砲したことを問題視し、「人命の価値に対する極度の無関心さを示した」と非難した。米連邦捜査局(FBI)が一連の事件を調査している。
中西部ミネソタ州で5月下旬、白人警官が黒人男性、ジョージ・フロイドさん(46)を暴行して死亡させた事件を機に、テーラーさんの事件についても黒人差別だと批判が高まり、歌手のビヨンセさんらが警官の処罰を求める抗議活動に加わるなど波紋が広がっていた。事件では、事前の予告なしでの家宅捜索を可能にする「ノックなし令状」が問題となり、市議会で禁止する法案が可決された。
一方、米国は19日、1865年に国内で最後まで残っていた黒人奴隷の解放が宣言された記念日「ジューンティーンス」を迎え、東部ニューヨークや中西部シカゴなど各地で黒人の権利向上を訴えるデモ行進が行われた。今年は例年以上に注目を集め、人権意識を高める目的で、米企業では休日としたり、有給の休暇としたりする動きが相次いだ。
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