九州の観光消費が半減 推進機構が推計 自粛解除でPR強化へ
- 経済情報
- 2020年6月19日
記者会見する九州観光推進機構の石原進会長
九州観光推進機構(福岡市)は18日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、令和2年の九州での観光消費額が前年比51%減の1兆4千億円にとどまるとの推計を公表した。同機構は、19日に国内移動の自粛が全面的に解除されるのを機に、情報発信の強化や国の観光キャンペーンと連携した旅行商品の企画など需要回復に向けた取り組みを展開する。
九州を訪れる外国人は今年、同73%減の113万人で、平成24年(115万人)の水準にまで落ち込むと想定する。同機構の石原進会長は福岡市内で記者会見し、「インバウンド(訪日外国人客)はこれでも甘い見通しだ。観光消費額は半減する恐れがあり、雇用にとっても大変なことだ」と危機感をあらわにした。
令和元年の水準に戻るのは、早くても4年ごろと予測し、同機構が目標に掲げる「5年に観光消費額4兆円」の達成は2~3年遅れるとの見通しを示した。
石原氏は、緊急事態宣言が解除されたものの、いまだ「簡単に旅行するというマインドにはならない」と指摘する。同機構は県境をまたいだ移動の自粛が解除される19日以降、まずは九州内の観光需要から動き出すと見る。ホームページに自治体などによる旅行支援制度の情報を掲載するほか、九州への旅行意欲を喚起するオンラインツアーも実施する。
交通事業者などと連携し、観光消費を促す国の「GoToトラベル」キャンペーンに対応した旅行商品も打ち出す。
インバウンドが本格的に回復するのは10月以降と想定する。中期的には欧米豪や中国からの誘客を強化し消費拡大を目指す。
一言コメント
当面は忍耐を強いられそうだ。
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