「また自由に動けなくなった」 新型コロナ“第2波“北九州拠点・重量挙げ選手の不安
- スポーツ
- 2020年6月1日
重量挙げの福田登美男・前九州国際大監督が自宅に設けた施設で練習する柳田瑞季=北九州市で2020年5月31日、本人提供
新型コロナウイルスまん延の「第2波」到来に神経をとがらせているアスリートがいる。東京オリンピック重量挙げ女子49キロ級の代表争いで2大会連続メダリストの三宅宏実(いちご)を追う柳田瑞季(九州国際大職)は、ここ数日で感染者が急増している北九州市が拠点。「できることが多くなってきたのに、また自由に動けなくなって精神的なストレスが大きい」と語る。 全国で緊急事態宣言が解除され、北九州市にある九州国際大でも、運動部などの課外活動が再開される見通しだった。ところが、市内では5月23日から9日間連続で感染者が確認され、31日時点で97人に達した。柳田は「実戦形式を含めた練習が思い切りできる」と期待していたが、学内施設の利用禁止が解かれるめどが立っていない。 元々、コロナ禍による東京五輪の延期は、柳田にとって好機の側面もあった。同階級の代表争いは34歳の三宅と27歳の柳田の2人が有力だ。代表が決まるはずだった4月のアジア選手権(ウズベキスタン)で柳田が初の五輪切符を手にするには、三宅より上位で、さらに、前年のアジア選手権(中国)で三宅が記録した187キロを上回る必要があった。柳田が「三宅さんの記録を抜けるかといえば難しいところがあった」と漏らすほど厳しい条件だ。ところが、アジア選手権は延期に。五輪も延期され「あと1年、強化できると考えたらプラス」と前向きに捉えていた。 現在は、日本協会選手強化委員の福田登美男・前九州国際大監督が市内の自宅に設けた施設で練習を積んでいる。ただ、重量挙げは頭の上まで挙げたバーベルを下ろす際に一気に地面に落とすと大きな音がし、近隣住宅に迷惑が掛かるため、実戦形式の練習まではできない。 柳田は「練習は一応できているが、これからどうなるのか不安のほうが大きい。試合がなくて記録がどうなのか分からず、調整が難しい」と、一刻も早い新型コロナの収束を願っている。
一言コメント
アスリートも試合ができなくて不安だろうと思う。
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