中国、途上国の感染対策に20億ドル 習主席「開発ワクチンは国際公共財に」 WHO総会
- 国際
- 2020年5月19日
スイス・ジュネーブにあるWHO本部の看板=AP
新型コロナウイルスの感染拡大がパンデミック(世界的大流行)と宣言されてから初となる世界保健機関(WHO)の年次総会が日本時間18日午後7時、オンライン会議形式で始まった。欧州連合(EU)などはウイルス発生源の国際調査を提案した。中国外務省は18日の北京での記者会見で、提案に同意する意向を明らかにした。一方、台湾のオブザーバー参加は認められなかった。総会は194の加盟国が参加し、19日まで新型コロナ対策について話し合う。総会でEUやオーストラリアなどは共同で、WHOの新型コロナウイルスを巡る対応や感染源についての検証を提案した。提案書では「なるべく早い時期に、加盟国と協議しながら公平で独立した形で実施する」とした。トランプ米大統領らが問題にしているウイルスの発生源については、中国や武漢などを名指しせず、ヒトに感染した経路とともに究明することが盛り込まれた。調査目的は「再発のリスクを減らすため」とし、中国が警戒する責任追及ではないことを明記し、一定の配慮を示した。中国外務省の趙立堅(ちょうりつけん)副報道局長は18日の定例記者会見でEUなどの提案を受け入れる意向を示したうえで、「絶対多数の国が、感染対策こそが喫緊の課題であり、ウイルス起源などを調査する機は熟していないと認識している」と強調。調査はあくまで「感染の収束後」と主張した。また中国の習近平国家主席はWHO総会で演説し、途上国を中心とする国際的な感染対策のために今後2年間で20億ドル(約2100億円)を提供すると表明。ワクチンの開発に成功すれば「国際公共財」とする考えも示した。一方、WHO非加盟の台湾のオブザーバー参加は見送られた。台湾を領土とみなす中国が、参加を認めないようWHO事務局に圧力をかけていた。台湾の呉釗燮(ごしょうしょう)外交部長(外相)は18日午後の記者会見で「WHO事務局が中国の圧力に屈服し、2300万人の台湾人の健康と人権を無視したことは極めて遺憾であり不満だ」と強く反発した。
一言コメント
なかなか一枚岩とはいかないようだ。
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