不運重なり、角界で犠牲者 部屋持ち親方に恐怖心―大相撲
- スポーツ
- 2020年5月14日
角界で最初に新型コロナウイルスへの感染が確認された高田川部屋の三段目力士、勝武士さんが、1カ月以上に及ぶ闘病の末、28歳の若さで亡くなった。関係者によると、糖尿病を患っていた。
日本相撲協会によると、4月4~5日に38度台の発熱があり、師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)らが保健所や近隣の病院に電話などで何度も問い合わせた。当時は感染者数の増加傾向が続いており、東京都内の医療機関も逼迫(ひっぱく)していた。入院できたのは8日夜になってからで、血たんが出るまで症状は悪化していた。
同じ二所ノ関一門の部屋持ち親方の一人は、突然の訃報を「本当にびっくりした」と受け止めた。師匠の立場から「自分の子どもが亡くなったような気持ちだろう」と、高田川親方の心中を推し量る。
この親方は弟子に状況を説明し、その上で「決して病院や保健所は悪くなく、時期が悪かったとしか言えない。だから(コロナを)甘く見ては駄目だ」と改めて注意喚起した。テレビ出演する専門家の話を参考に部屋の中でもマスク着用を徹底させるなどの対策を講じて、「わが子」を守る。
別の師匠は、約20人いる弟子の半数が基礎疾患を抱えているといい、「怖いとしか言えない。消毒にも限度があるし、切りがない」と不安は隠せない。
高田川部屋でも外出自粛を徹底するなどしていたが、複数人が感染した。集団生活が基本の相撲部屋にとっては、改めてウイルスの恐ろしさが身につまされる悲劇になった。
一言コメント
あまりにも若すぎる死だ。
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