狙われる“コロナ休業” 福岡でも被害 不審な融資話も 困窮の店につけ込む悪質な手口
- 詐欺・悪徳商法
- 2020年5月7日
緊急事態宣言が延長され休業や営業時間の短縮がさらに長引くことになった飲食店が、今、狙われています。
コロナによる休業につけ込んだ犯罪が福岡でも起きていて、自衛の動きも出てきています。
窃盗の被害に遭った福岡市内の飲食店で撮られた写真です。
出入口の引き戸のガラスが割られ、内側から鍵が開けられていました。
【被害店の店長】
「ここに金庫を入れてるんですけど」
「ここの500円玉と下に紙幣を入れていたんですけど、全部盗られているような感じですね」
福岡市博多区にあるこの居酒屋は、営業を自粛していた4月22日、レジや金庫の現金およそ20万円が盗まれました。
店を開けることができず売り上げゼロが続く中、さらなる痛手を受けることになりました。
【被害店の店長】
「(店を)閉めている以上は利益を生まないので、赤の状態からのマイナスなので腹立たしい部分はありますね」
「コロナ休業」につけ込んだ犯罪被害を防ごうと、九州随一のネオンが消えた福岡市の中洲では、飲食店のオーナーなどが自警団を結成しました。
【自警団の参加者】
「照らして中をのぞいてみたり」
「こんな感じで人影がないとか気をつけて見ている」
警察とも連携して夜の中洲を見回る自警団。
発起人の井上倫清さんは、ラーメン店の店主です。
【井上倫清さん】
「暗いとどうしても犯罪が起きやすいし、自分たちが回ることで抑止になれば」
当初は1人だけだった自警団の活動も、今では賛同者が10人ほどに増え、連日、路地裏や灯りがない通りの店を中心に見回っています。
【井上倫清さん】
「中洲が好きだからやっている。この街を愛してこの街を守る」
さらに、休業中の店を狙っているのは窃盗犯だけではありません。
店を閉め収入が閉ざされた中洲のスナックに、1件のFAXが届いたのは4月上旬のことでした。
「私の会社名が記載された書類なんですが…これですね」
【スナック経営者】
「一時的に業況悪化をきたしているみなさまを対象とした、『特別貸付』を取り扱っております」
わざわざ名指しで送られてきたのは「特別貸付」の案内状。
2000万円の融資が可能だとうたっています。
こうした案内が届くのは初めてのことで、経営者の女性は不審に思い放置していたと言います。
【スナック経営者】
「2000万円融資できるみたいなことでしたね」
Q普通あり得る?
「ありえないと思います」
本当に2000万円の融資が受けられるのか、記された番号に電話をかけてみました。
呼び出し音はするものの、応答はありません。
その後も時間を置いて数回電話をかけましたが、相手につながることはありませんでした。
消費者問題に詳しい専門家に問題の書面を見てもらうと、すぐに不自然な点が見つかりました。
【消費者問題に詳しい 黒木和彰弁護士】
「一番おかしいのは貸金業の登録番号がない」
「実際に融資になる可能性はほとんどない」
送られてきた書面には貸金業を営む際に必要な登録番号がなく、黒木弁護士は違法業者の疑いがあると指摘します。
うっかり電話番号や年商などを相手に知らせてしまうと、個人情報が違法業者の間に知れ渡り、保証金詐欺の被害に遭ったり無用な投資をさせられたりする恐れもあるそうです。
【黒木和彰弁護士】
「いわゆる“カモリスト”に載せて、ほかのいろいろな悪質な勧誘をさせる可能性が極めて高い」
「危険なFAXである」
コロナ休業で困窮する店や経営者につけ込む、悪質で卑劣な手口。
さらなる痛手やトラブルを避けるため警察は、十分な注意と、焦っているときほど、より冷静な行動を呼びかけています。
一言コメント
こういう時こそ警戒が必要だ。
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